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雨の日は革にアイロン・型押しがしやすい。
こんにちはみなさん。
季節の変わり目、雨の多い日が続きますね。
雨の日は、革が湿気を含みます。
そんな時はアイロンです。型押しです。
ヌメ革は可塑性があります。湿気によって水分を含んだ革は素直に形を変えてくれます。
また、しっかり金型の跡が入ります。
通常、「アジをする」といって、革に水分をスプレーガンで吹き付けてから
アイロン、型押しをします。
アジはしましたが、今日は水吹きは少な目です。
一枚目写真は革のシワがなくなるよう、アイロンに入れているところです。
二枚目写真、鉄のロールが革生地の載った板を押し上げ、金型の鉄板に押し付けるところです。
年季の入った機械です。
湿度が高い日だった為か、
キレイに革がピンとしました。
また、型押しも上手くいきました。
自然素材を加工する際、気温や湿度を考慮するのは基本です。
最近はヌメで、立体成型、絞り、カービング、ネーム入れ等される方、多いです。
クラフターの方はその辺りの天候も、考慮して良いものをお作りになられています。
古い機械ですが、こんなアイロンもありますので、
革生地をきれいにのばしたい方は、お手伝いできます!
只、機械は温度を高くしてから使用しますので、
もしご希望の際は、お問い合わせくださいね。
それでは!
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革の脂はしなやかさ、艶を生みますが、厚みをどのくらい残すかは検討が必要です。
みなさんこんにちは。
こちらでは、革漉きや革加工に関して裏話的に私が日々行っている
業務をお伝えしています。
そんな中で、何か革で作る際にお役に立てることがあればと考えています。
そこで、一つお伝えです。
みなさんご存じかと思いますが・・・、
革には、脂がある程度含まれています。
触って柔らかく、しなやかで、底光りしている革は、
オイルが含まれている、ということが想像できるかと思います。
そうでない革、例えばヌメ革でも結構含まれていたりします。
漉いた後、脂が機械に結構残ります。
日々色々な革を漉きます。
革を漉くと、その革の脂分が感じられるのが、
漉き終わった後、バンドマシンのロール(生地を入れる金属ロール)部分を触る時です。
もちろん機械を完全に止めてからですが。
革を漉き終わると、革を巻きこんでいくロールに脂が残ります。
ある程度の圧力をかけて革を巻きこむので、圧縮された革から
オイルが染み出ます。
ロールを触るとその感触(しっとり感、ヌルッと感)で、革に含まれている脂分の多い少ないが、
分かります。
特に、染料、芯染めの革は、染めた後、革にある程度オイルを戻すので、
しなやかになっている場合がありますが、オイルが結構多い場合もあります。
ただ、オイルを戻していかないと乾かした後に革がゴワつくので、
そこは必要です。加工しずらくなってしまいますから。
ただ、オイル量が多いような革は「柔らかいなあ」「弱いかも」など、触って分かります。
使用用途にもよりますが、
薄く漉くことは当社なら0.8ミリくらいまでなら、ベタ漉き致します。が、
せっかくの革の張りコシがなくなるのは、もったいないなあ、と感じることもあります。
難しいところです。
オイルレザーって、とっても革生地として艶があっていいのですが、
薄くし過ぎるとせっかくのその良さが、生かせないことがあると思います。
作業後はロールを掃除します。
脂が残ると、革の粉が付着して汚れになってしまいますので。
革はそのままだと、乾いて、固くなっていきますが、
手で触りながら使うと、
手の油分が革製品に馴染じみます。
撫でてあげると、革に栄養が与えられるからです。
革を育てるって、大切に撫でてあげながら、
生かして使ってあげるということです。
ただ、栄養(油)を入れ過ぎ(塗り過ぎ)は、革を弱くします。
そこは注意が必要です。
面白いです。
どうやって加工するか?
どういう接し方で使うか?
それによって、その後の姿がそのまま変わる。
そして変化に時間がかかる。
その変化や姿は、自分がやってきたこと、そのまま。
革って、素直ですね。
それでは!
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ひたすらプレス裁断する一日になっています。
みなさんこんにちは。
大型台風が来ていますので、お互い自身の命を守る行動をしていきましょう。
幸いにも、今のところ当社工場のある地域は、大事無く済んでおります。
雨が強いですが、そのような情報と、外の雨風の音に耳を傾けつつ、
静かにプレス裁断に向き合っています。
プレス機の音は、バンッ、バンッ、という裁断音の連続なので、静かではないのですが、
それに集中するので、
心は以外にも静かになっていきます。
ただ、一瞬の気の緩みで、裁断ミスからの不良パーツ発生、
指の大けが、に繋がりますので、集中が必要です。
革製品をお作りの方をお見受けすると、そんな集中した地道な作業が、
精巧で美しい製品を生み出すということ、本当に理解できます。
プレス裁断は、かなりの単純作業の膨大な積み重ね。
色によっては、10万枚とか・・・、結構な数です。
ありがたいことに、高齢の社長が手伝ってくれます。
先ほど、心静か、とか書いてしまったのですが、実は時間が経てば経つほど
頭の中がうるさくなってきます。私は。
集中はするのですが、人間なので、頭の中で色々と考えてしまうのです・・・。
雑念?
こういう、単純な、時間を捧げる仕事をしていていいのか?
これからの時代、色々なものがもっと便利な機械にとって代わられるんじゃないの?
この、単純な仕事に埋没している時間ってどうなんだろう?有益なのか?
他にもっと多く利益化できる仕事ってあるんじゃないか?
よこしまな考え?
本当に、自分は、誰かの役に立っているのだろうか・・・?
そういうことを考える自分って、何様だ?
まあ、実際、そんな深刻ではないのですが、頭の中がグルグル。
でも、私が思うに、
作り手さんが大変なこと、面倒なことを手伝ったりして、
便利なサービス、欲しい革を、自分ができる限りで用意していければ、それでいいのです。
それしか出来ません。
そういうことを感じて、しっかり考えて、動いて、涼しい顔で汗をかく。
今はそれしかできないし、
有り難いことに、お声がかかる十分なお仕事があるだけで、今に感謝。
社長がやっている、空気を吸うみたいに仕事するって
そういうことなのでしょうか?
泥臭い物理的単純作業、いいじゃない!
考えるなど、お前何様?仕事があるだけで、もう十分でしょう。
そもそも、そんな贅沢な考えができるだけ、まだ全然余裕があるということ。
お客さんがちょっとでも楽になるなら、
それで良し!
それで終わりでいいじゃないか。
多分、機械ならそんな雑念なしで、無限に集中して作業が行えるのでしょう。
人間と機械の大きな違い。
機械は疲れないし、正確だし、無駄な思考がない。完全ストレート。
自分は機械じゃない。
だとしたら?
ちょっとでも、お客さんが、
楽になるなら、何をしようか。
そういうことを考えて、色々やってみる。
で、気に入って頂ければ、
それで、良し!
今日はごちゃごちゃ考えてしまいました・・・。
案外雨の日って、こうなりますね。
それでは。
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栃木レザーは革の素顔が見える。
こんにちは。
今日も厚い革を漉きました。
お預かりさせて頂くクラフト用の繊細な革はもちろん加工するのですが。
当社では、こういう荒々しい革を多く加工しています。
栃木の革も色々ありますが、私は個人的には、こういう生々しい革が結構好きです。
ただ、こういった素の状態のヌメ革は、牛が生きてた時の
表情がそのまま残っています。
またヌメは、汚れ、キズがいとも簡単につきます。
工業用ならあまり問題ないのですが、こういう個性的な革を利用して
クラフトされる場合、革生地のキズ、シワ、血筋、などを楽しむという
感覚が必要になります。それは作るときも使うときも同じだと思います。
革の生き様を愛でる感じ。
生き物が生きていた時の動き、立体感、個体の歴史がしっかり革に残っています。
だから、栃木レザーからは色々な想像をかきたてられます。
若くてすっきりしたしなやかな革もいいけど、
年季の入った固いすっぴんをいつもありがとうございます。
タンナーさんに感謝致します。
それでは!