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  • 革漉き、ベタ漉きは初めて頼むので・・・、という方へ手順をお伝え致します。

    皆様こんにちは!

    革を漉くと、こういった床革が出ます。写真はお預かりした革を薄くスライスした後に出る床革の部分です。

     

    ところで、この半年位で大変有り難いことに、業者様だけでなく個人様でクラフトをされる方からも

    革漉き、ベタ漉きのご依頼を頂けるようになりました。

     

    が、WEBサイトを作って一応のご説明をさせて頂いているのですが、

    まだまだ、分かりにくい!一枚でも頼んでいいのか分かりませんでした・・・、というお声をお聞きします。

     

    本当に申し訳ありません。私の紹介の方法がいたらないのを痛感しております。

     

    詳しくはお問い合わせページにあるのですが、

    以下、ケーススタディとして、ベタ漉きをご依頼頂く際の流れを簡単に説明させて頂きます。

     

    ①WEBサイトの「お問い合わせ」ページから、メールフォームご記入欄に、

    ・革の種類(牛、豚、鹿、羊、等・・・基本爬虫類やお魚などは当社機器では対応できませんので

    お断りさせて頂いております。人工皮革やプラスチック樹脂等は可能かどうかご相談させて頂きます。)

    ・素材の大きさ、素材の原厚

    ・加工する際のご希望厚

    ・加工枚数

    ・ご希望納期

    を、ご記入して頂き、その他の入力欄にもご入力頂きましてご送信下さい。加工指示書のフォームも用意させて頂いておりますので、そちらをご活用頂きファイル添付して頂いても構いません。

    もしくは、お電話でも承りますが、メールにてご連絡頂けましたら助かります。

    ベタ漉き加工料金・・・100デシ程度~半裁 一枚500円

    それ以下の大きさの革  一枚400円

    (同じ革質、同じ原厚、同じご希望厚加工の場合は2枚目から250円)

    一枚からのご依頼でも大丈夫です。

     

    ②メールの場合は一営業日中に返信させて頂きます。お電話でありましたら、その場で詳細をお話し致します。

    ③元払いにて、こちらに革をご送付下さい。革の裏(床面)にチョーク等で、加工ご希望厚を書いて頂けましたら助かります。またシールホチキス等はおとりはずし下さい。機器の破損につながりますのでご協力下さい。

    ④到着から1営業日中に、加工、返送させて頂きます。返送後、メールか電話にてご連絡致します。

    (返送料は基本こちらにて負担させて頂きますが、加工費用1000円以下、また東海圏以外のお客様は、返送料を請求書に明記致しますので、加工費と返送料が請求金額となります。)

    ⑤請求書に明記させて頂いた当社口座へ、請求金額をお振込み下さい。一週間~10日以内位にご入金頂けましたら助かります。

     

    上記、の流れです。

     

    もしご不明点ありましたら、お電話、メールにてご質問下さい。ご説明させて頂きます。

    お支払いが、現状銀行お振込みになっております。大変申し訳ありませんが、お振込み手数料はお客様にご負担頂いております。今後よりご利用頂きやすい方法にしていく予定です。現状お手数おかけしており大変申し訳ありません。

     

    また、お近くの方で当社まで直接お越しの際は、ご訪問日時をご連絡下さい。その場で加工できる場合は即加工させて頂きますが、先約のお客様や業者様の加工が多い場合は、お預かり後に加工、後日お返しになる場合もありますので、一度ご連絡、ご確認頂けましたら助かります。

    ご訪問頂いたお客様は当然ですが、送料はありませんので、加工枚数分の料金となります。

     

    以下、ご注意頂く点です。

     

    ・当社機器は基本、大きくて厚い革をスライス加工する機器です。

    ・大体0.8ミリ厚までの加工に適しています。厚さ8ミリ等、原厚が厚めの革の加工も承ります。

    ・加工厚は0.1ミリ単位でご指定頂けます。

    ・革という自然素材の為、部位により精度に違いがでる場合があります。

    ご理解の上で依頼頂けましたら幸いです。

    ・お預かりした革(柔らかい革など)によって、漉き落ちのリスクが考えられる場合は

    革を傷めない範囲で加工させて頂いております。

     

     

    ベタ漉きのご依頼~お渡しまでの流れは、このようになります。

    長い説明になり申し訳ありません。

     

    自分でも思いますが、かなり、注文の多い料理店、みたくなってますね・・・。

     

    当社の体制が皆様のリクエストに追いついていないのが現状だと思います。

     

    よりシンプルに気楽にオーダー頂ける体制にしていきますので、

    今しばらくお待ちください。

     

    それでは!

     

  • 半裁、大判革のベタ漉きをお考えの方へお伝えしたいこと。

    こんにちは。

     

    写真は、多脂ベンズ革の床革です。

     

    半裁革を割漉きして皮革製品業者さんにお渡しするのは、当社のメイン業務でもあります。

    半裁、大判の革をお預かりすることもありますが、

    6~8mm位でタンナー様から当社に入った革を、ご希望厚に割漉き加工して出荷します。

    主にヌメ革です。

     

    割漉き、とは1センチ弱の厚みのある革を、大きく革を(断面から)割るようにスライスすることです。

     

    大型でパワーのある重機であれば可能ですが、

    実はこれ、何回かに分けてスライスすることが多いのです。

     

    機器を調整しても、6.0ミリをいきなりピッタリ2.0ミリ等にするのは結構難しいので

    1回目3.0ミリ弱くらいにして2回目でピタリを狙うという方法をとります。

     

    また、出来るだけ生地全体を均一な厚さにしていくため、何回か漉く必要が出ます。

     

    革、皮は自然の産物であるため、部位により厚さ、固さに変化があります。

    一般に動物、特に哺乳類は、上半身の方が皮が固く、下半身の方が皮が柔らかいものです。

    すいません、当社は基本爬虫類とか魚とかの革、皮を漉くことがないので、

    その辺りの生物に関しては、感覚としてあまり分からないのですが・・・。

     

    要は、固い部分はサックリと刃が入ること、またバンドナイフのロールに革が入る瞬間、圧がかかること、

    柔らかい部分は刃が入りにくいこと、を考慮します。つまり・・・、

     

    ①固い部分から革を入れると、革生地に素直に刃が入る→固ければ比較的生地がヨレにくくキレイに刃が通る。

    ②革は肩が固く、尻が柔らかい。→上手く柔らかい下半身から入れれば、革を漉きすぎない。

    ③先に刃を通す部分は薄くなる。→後に入る部位は厚くなっていく。

     

    という3原則を考慮して作業することになります。

     

    革は原則、最初尻から機器に入れて漉いて、全体の厚みを見て、次逆方向から漉いて、厚みのムラを

    整える方法を取ります。最終的に再度左右のゲージ調整を行い厚い部位に深く刃を入れる、

    薄い部位は少し削る位になるように刃を入れる、ということになります。

     

    また、漉きシロ(原厚)が多い方が、精度は出しやすいです。

     

    あと、大切なのは、最初にロールに入る部位と後にロールから出る部位、の距離が

    出るほど、厚さに差位が発生していくことです。

     

    そこを計算して数回に分けて、割り、漉きします。(業界では漉き割り、割漉き、両方同意で言葉を使います)

     

    随分長いウンチクになり申し訳ありません。

    結局何をお伝えしたいか、・・・というと、

     

    大きい革で、漉きシロがあまりなく、柔らかい革である場合、

    精度が出しにくい、ということです。

     

    また、当社機器のような重機の場合、固くて厚く大きい革のダイナミックなベタ漉きや、小さいパーツの大量一気漉きに向いている、という点です。

     

    デカいブルドーザーみたいなもんですから、あんまり細かい優しい運転は、実は、ちょっと苦手。

     

    もちろん、どんなリクエストも検討の上、対応はさせていただきます!が、一応その辺りご理解

    頂いて、ご依頼の革をどうするか、どれにするか、検討して頂くと良いと思いますよ!

     

     

    全体を完全に同じ厚みにするのは革の場合限界があります。他の素材との大きな違いです。

    それがまた、革の楽しいところ!だと、私は考えていますが。

     

    基本同じになりようがない、揺らぎ、ってやつ。

    生地の顔、も含めて。

    でも、それをどうコントロールしていくか。それとも、そのまま生かすか。

    どうするか。

     

     

    とにかく高い精度で同じ厚みが欲しい!という場合は・・・、

    ある程度小ぶりに裁断して頂いていればいる程、精度は高くなります!

     

    多くの革製品、量産品は、裁断後の漉き作業で、厚み精度を上げていますから・・・。

     

    最近のご依頼で、A4、A3、くらいサイズもご依頼頂きます。

    クラフトをされる方よりのご依頼にも、できるだけ対応していきたいのが、

    当社、私の今後の方針ですので、ご相談はお待ちおります。

     

    でも、結局、0.1m単位等で細かく厚み調整したクラフト材料があればいい気もしますが・・・、

    個人的には魚の切り身みたいだなー、とか考えてしまいます。

     

    すごく便利だとは思いますので、そういう単位で加工していき、

    販売もしていきますね。

     

    が、結局は私自身の日々の精進が大切です!

     

    みなさんからリクエストを頂きつつ、いつも勉強させて頂いております。

    本当にいつもありがとうございます!

  • ベルト裁断もしております。

     

    みなさんこんにちは。

    先日おみえになられたお客様から「ベルトも裁断できるのですか?」

     

    とのお問い合わせを頂きました。

     

    HPには掲載しているのですが、まだまだ、当社ができることを皆さんにお伝えできていないのだと痛感させられました。

     

    以前にもこちらのブログでベルト裁断の様子を少しご紹介したのですが、

    実際の料金等については触れていませんでした。

    HPの注文、問い合わせページにも掲載していますが、再度こちらで整理して紹介させて頂きます。

     

    ・革ベルト、革紐は幅3ミリ~裁断しております。

    ・1ミリ単位で幅のご指定可能です。

    ・細めで20~30ミリ、太めで30~40ミリのご依頼が多いです。

    ・革質によって(柔らかい革等)当社ベルト裁断機で対応できない場合もあります。ご相談下さい。

     

    ・ベルト裁断は、革の繊維の方向から強度を検討して、通常、生物の背中に沿っての裁断をおすすめしています。

    ・牛半裁革の場合、縦80~100センチ、横150~200センチが大体のサイズです。

    ・背中に沿って裁断すると、例えば長さ100~130センチなどの革ベルト、革テープが幅3センチの場合、半裁革で20~30本裁断できます。

     

    ・裁断費用は基本1本200円~です。

    ・裁断機は40センチ幅くらいの機械です。基本は同一サイズベルト5本以上位からの裁断でお願いしていますが、皆様のリクエストにお答えしていきたいので、ご相談頂けましたら、融通きかせます。

    ・同一サイズの場合10本以上なら一本100円の料金になります。裁断時、機器のサイズ調整が不要のためです。

    ・革持ち込みはOKです。

     

    と、ここまで書きましたが、そもそも、そんなにたくさん裁断しても使用できないかと思いますので、今後、当社でも色々なサイズで革をテープ状に裁断して、必要な方に、必要な量でご提供していきます。

    宜しくお願い致します。

     

  • 繊維がよく締まったしっかりした革は、工業革としても使用されています。

    こんにちは。

     

    こちらは日本が誇るブランドレザー、栃木レザーさんの革ですが、クラフト以外にも

    たくさん使われているんですよ。

     

    とにかく、ワイルド!ストロング!ヘビィ!原厚は6~8ミリ。

    重いです。加工は牛との闘いですね・・・。

     

    当社では主にボートの持ち手、ウェイトリフティングベルトなど

    スポーツ用品部材として加工しています。

    適度なオイルが革に含まれ、水、汗に対してもある程度の耐性があると言えます。

    使っていると最適な柔らかさが革に生まれます。

    革は当然ベルトの需要が多いです。リフティングベルトは、色々な素材があるようですが、

    最終的に革でなければいけない方もいるという話を聞きました。

     

    厚みがしっかりしたヌメ革は最初は、かなりゴワゴワして固いのですが、

    使用していると繊維が程よく緩んで使い手さんに馴染んでくるのでしょう。

     

    その方に合った形状に革が変わるのです。

     

    革という素材の面白いところです。

    裁断する際は、そういう形で使い手さんを支える革になればいい、と想像しています。

    革は元々厚みがあり、それなりの強度があります。

    それは使う人達のクセみたいなものを吸収してしまう包み込む力があるのですね。

     

    本当にスゴイ。

     

    革が強いのは、植物タンニン鞣し革特有の締まった繊維の為です。

    タンナーさんが時間をかけた鞣しにより、革に力が生まれているのです。

     

    自然の産物は力を失わない。

    結局、別の力に変容するのでしょうか。

    それはタンナーさんの情熱と技の賜物ですが。

     

    自分は、それを使う方の使いやすい形にして、しっかりと繋いでいくことしかできませんが。

     

     

     

    ところで、革は工業製品にも使われているのです。

    金属にも拮抗できる強度やしなやかさのある素材としての、革。

     

    優秀な素材が豊富にある現代でも、革でなければならないという場合があります。

    当社ではそんなご要望にも対応しております。

     

    必要な革の形状や厚みのリクエストがありましたら、ご相談下さい。

     

    最近有り難くお声がかかったところでは、革のバフ、研磨用の革です。

    ピカピカに金属を磨くためには、革の締まった繊維が必要なのです。

    革は包丁を研ぐシャープナーにも昔から利用されています。

    当社では関市の刃物メーカーさんのケース作成の協力などもさせて頂いております。

     

    そういう、しっかりした革、金属、刃物などに対して耐性のある革などをお探しの業者様、

    もしピッタリ合った革が見つからないなら、是非当社までご相談下さい!