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  • 革サンプル、革パーツ裁断致します。

     

    皆さんこんにちは。

     

    大変な長らく更新をサボっていました。

    大変申し訳ありませんでした。

     

    最近はランドセル用の革見本色見本の作成が佳境に入っています。

     

    大量に作ります。

    1日最低1万枚が目標です。

    販促に必要になるので今から用意いたします。再来年販売のカバンの見本です。

    基本最近のランドセルはカスタムが多く、受注生産になるので来春分は生産が進んでいます。

    なので、その翌年のサンプルを今から用意します。

     

    私はそのお手伝いをひたすらやります。

     

    良い鞄と出会うお手伝いをさせて頂き大変ありがたいことです。

     

    サンプルカット、パーツカット喜んで引き受けます。

    そのような業者をお探しでしたら当社まで是非ご相談下さい!

  • バンドマシンメンテナンス

    みなさんこんにちは。

     

    7/9日よりバンドマシンのメンテナンスをさせて頂いております。革漉きご依頼のお客には

    ご迷惑おかけしまして大変申し訳ありません。

     

    当社のバンドマシンはそろそろ50年使用していることになる設備です。

    それでもまだまだしっかり動いてくれます。

    ただ、使用していて革の漉きあがりはもちろん、機械音に違和感がある場合、

    メンテナンスの業者さんに診て頂きます。

     

    このタイプのバンドマシンは国内にあと5台くらいだそうで、このバンドマシンの

    メンテナンスができる方も多分国内に数人だそうです。

    後継の技師さんも育ててくれていて、本当にありがたい限りです。

    ちなみにいつも兵庫県の姫路から愛知県まで来ていただき、神様です。

    最後まで当社に付き合って頂く姿勢にいつも頭が下がります。

     

    私もベタ漉きのニーズがある限り、最後のお一人様までお手伝い致します!

     

    前回は生地を入れる金属ロールを回す強力なモーターがあるのですが、

    それが痛んでいて、モーターごと交換しました。

     

    今回はバンドナイフを張って回すプーリーという部品があるのですが、

    そちらをメンテナンスしました。

    長年金属のバンドを回転させると、かなり固い金属とはいえ部品が摩耗してきます。

    なので、一度金属を研磨して平らにすることで、バンドが安定して回転します。

     

    バンドナイフが目には見えないくらいですが微妙に揺れることでどうしても

    漉きムラができますのでそれを防ぐためです。

     

    他にも、砥石のユニットが振動するとバンドナイフの刃が均一に研がれない、

    刃を抑える三角盤が削れているとナイフが揺れる、など影響を

    及ぼす要因があるのですが、逐次メンテナンスしています。

     

    ただ、どうしても部品を外して研磨に出す、部品ごと入れ替える、になります。

    いつも交換部品がすぐにある機械ではなく、ヴィンテージカーみたいに部品から

    つくる場合もあるので、ちょっと時間がかかるります。

    お客様にはご迷惑おかけして本当に申し訳ありません。

     

    私としては、できるだけ革を使う方にお値打ちにベタ漉きをご利用して頂けるように

    していくだけです。

    また出来るだけ早く加工してすぐ革を使えるようにしていきたいところです。

     

    革を使う方は材料や道具にお金を使って頂いた方がいいし、

    面倒で時間のかかりそうな作業はご相談下さい。

    当社で出来ることはチャレンジさせて頂きます。

     

    そして、

     

    もっと安心にご依頼頂けるよう私も日々スキルアップに精進していきます。

     

    それでは。

  • 仕上がった革の種類について

    みなさんこんにちは。

     

    ここまでで出来上がった革の一般的な性質について以下にまとめられます。

     

    他の素材と比べ優れている性質。

    ①感触が優れている。柔らかさ、滑らかさなど。

    ②保湿性があり、触ると暖かく感じる。

    ③気温による変化が少ない。

    ④適度な可塑性、弾力をもつので、各種の形状に加工できる。靴、衣料、手袋として

    露出しうる肌をしっかり保護できる性質がある。

    ⑤切り口は避けにくく、ほころびにくい。繊維として破れにくい素材である。

     

    欠点としては以下があります。

    ①品質、形状が一定でなく、部位によって性質の違いがあり、裁断時の歩留りが悪く、

    大きい面積の場合は均質な生地になりにくい。

    ②色落ちしやすい場合がある。染色堅牢度が低い。

    ③水濡れに弱い。

     

    革特有の特徴として、親水性があり、空気中の水分がおおいとき、吸収し乾いていると放出します。

    同時に革が膨潤、収縮するので、面積や体積が不安定になり形状変化しやすいです。この特徴は

    皮本来の特徴に由来しますが、鞣し工程のところでも説明したとおり、革になっていくにつれ、

    この欠点を補う特徴が付与されていきます。

    それが優れた点になっていき、革の特徴になります。

     

    仕上がった革は、以下のように分けられます。主なものだけまとめました。

     

    1・銀付き革  原皮の本来の銀面模様をそのまま生かして仕上げてある革。代表的なものに

    ボックスカーフがあります。仔牛皮を原料として、染色、タンパク質系バインダーで仕上げをして、

    アニリン仕上げなど透明感のある仕上げがしてあります。靴、ハンドバック、鞄、家具など用途は

    幅広いです。

     

    2・ガラス張り革 クロム革製造工程で、ガラスに張り付けて乾燥して、銀面をバフィングして、

    塗装仕上げした革です。原料は主に成牛皮。銀面が均一だが、風合いは銀付き革より劣ります。

     

    3・スエード 革の床面をバフして、ベルベット状に起毛させて仕上げた革。仔牛の革から作られている

    スエード革は高級品です。成牛皮から製造される場合、毛羽がやや長く、ベロアと呼ばれています。

     

    4・バックスキン 鹿皮の銀面を除去して毛羽建てた皮。

     

    5・ヌバック  革の銀面をバフして起毛させた革。スエードより、毛足がとても短くビロード状。スエード

    革をさらに滑らかにしたような革です。

     

    6エナメル革 パテントレザーともいわれています。革の銀面にワニス等を塗布、乾燥を繰り返し、光沢の

    ある強い被膜を作って仕上げる。ハンドバック、靴の甲革などに使われます。

     

    7・型押し革 革の銀面に種々の型を加熱、加圧して模様をつけた革。ハンドバック、ケースなどに

    用いられます。

     

    8・タンニン革 植物タンニン鞣しによって製造されたヌメ革。鞄、袋物、ベルト、革工芸など、タンニン

    鞣しの特徴を生かして様々な用途に使用されます。

     

    スエード、ベロア、バックスキン、ヌバックはどれも起毛革ですが、上記の違いがあります。

     

    出来上がった革は、計量(大きさを測ります)、出荷され、なんらかの製品生地として活用されていきます。

    もちろん、クラフトをされる方々にも販売されます。

     

    ここまで、製革についてのご紹介読んで頂いた方、ありがとうございます。

    結構すでにご存じの一般的な話も多かったかもしれませんが、仕立てる前の革の製造に、

    ちょっとでもご興味を持って頂けたらと思いました。

     

    今後は、もうちょっと、革でお作りの方に役立つ話題になればと思っています。

     

    それでは!

  • 製革の仕上げ、補助作業。

    みなさんこんにちは。

     

    製革の仕上げ塗装は、その前後で革に補助的に加工を施す時があります。

    今日は、そちらをご紹介します。

     

    ①バフィング・・・銀面をサンドペーパーでバフ処理をして仕上げます。銀面の悪い革に行い、キズなどを

    削り取って修正します。その後、塗装作業を行います。また、ヌバック、ベロアのような毛足のある表面処理

    を行う際にも使われる処理です。

     

    ②ポリッシング・・・フェルト、砥石で革表面を摩擦、磨き上げます。平滑さを加え、目止めを行います。ナッパ

    革(という柔軟性のある平滑な革)、衣料革、手袋、グローブ革の製作の工程で行われます。

     

    ③空うち(ミリング)・・・空のドラムの中で革を打ちほぐし、繊維をほぐして、革に柔軟性を与えます。またシボ

    つけのため行われます。一般に衣料革によく用いられます。似た加工ですが、バタ振り(という革をバタバタ

    振りおろす機械)によって柔軟性を付与することもあります。

     

    ④型押し・・・革の表面に凹凸模様を、圧力、熱で型押しする作業。銀面のキズ等を型押しで目立たなく

    することができる。クロコダイルなど爬虫類の柄等イミテーション加工をする場合がある。

    塗装前でも、後でも行える。金属ロールや圧力プレスで革に熱、圧力をかけ、加工する。

     

    ⑤シボつけ・・・銀面にしわをつける作業、銀面を折りたたんだり、またはポーティングマシンという機械で

    シワをつけていく。シボには主に以下があります。

    1・水シボ  波模様のシボ加工

    2・角シボ  水シボに対してさらに縦方向にシワをつけた加工

    3・八方もみ 角しぼにさらに両対角、つまり八方向にもみあげてシワをつけてある加工

    これらの加工はベルト、鞄などに施されています。

     

    ⑥グレージング(ガラス掛け)・・・革の銀面に平滑性、光沢を付与するために、ガラス板、めのう、金属

    ローラーで銀面に圧力を加えつつ摩擦します。主にカゼイン、アルブミン仕上げの革に施される加工。

     

    ⑦アイロンプレス・・・塗装工程中、後に革表面に平滑性、艶を与えるためにアイロンプレスをします。

    合成樹脂仕上げの場合、革表面に均一で薄い塗膜を伸ばすことができます。熱の入った金属板の下に

    革を敷いて、金属ロールを通過させて金属板にこすり付けます。

     

    これらの作業は、レザークラフトされる方でも、設備がなくても手作業で行っている方もいるかも

    しれません。染色してから、ガラス板で磨いたり、染める前に銀磨りする方はいるかと思います。

     

    革は、仕上げ方によっても最終的に全く違った表情を見せますので、染色、加脂だけでなく、この仕上げ

    が重要です。また機能性、耐久性、官能性、にダイレクトに影響します。ユーザーの好き嫌いが分かれるのも、

    この仕上げによるところは大きくあると思います。

     

    やっと仕上げまで終わりましたね!

     

    ここまで、ざっとですが、製革の流れを原皮を取るところからご紹介してきました。私の説明では、

    工場見学みたいなリアルさは伝わりませんが、製革のしくみが、革で作られる方に少しでも伝われば

    幸いです。

     

    次回は、革を使うに当たって知っておくといい、出来上がった革素材の性質をご紹介致します。

     

    それでは!