2025年2月

  • 革パーツをクリッカー裁断する際に型入れが重要な理由

    革(特にヌメ革)は天然素材のため、一枚ごとに状態が異なります。A3サイズ以上程度の大きなパーツをクリッカー裁断する際、適切な型入れ(裁断レイアウトの調整)を行うことで、品質やコスト面で大きなメリットがあります。

    型入れが必要な理由

    • 革のムダを最小限に抑える
      型入れを適切に行うことで、無駄な端材を減らし、コストを抑えられます。

    • 革の繊維方向を考慮し、強度を確保
      革には繊維の流れがあり、適切な向きで裁断しないと変形しやすくなります。型入れによって、必要な強度を確保できます。

    • 傷やシワを避け、美観を向上
      天然皮革にはシワや傷があるため、型入れによってそれらを避け、高品質な仕上がりを実現できます。

    型入れのポイント

    1. 裁断前に革の状態を確認

      • 繊維の流れ、シワ、傷の位置を把握し、使用可能な範囲を見極める。難ありの部位は印をつけておく。床面も必ずチェックして割れや凹み穴あきを吟面に同じように印をつけておく。その部分は使用しない。
    2. 製品ごとの適切な配置を決定

      • パーツの形状とサイズを考慮し、無駄なく配置する。
      • 繊維方向を考慮し、製作製品の使用環境に適した強度を確保する。
    3. ロットごとの品質を均一化

      • 同じ型入れ基準で配置することで、品質のバラつきを抑える。

    型入れを考慮する業者選びの重要性

    型入れを行わずに裁断すると、材料ロスが増えたり、パーツの強度や品質が不安定になります。高品質な製品を安定的に作るためには、型入れを適切に行う裁断業者を選ぶことが不可欠です。

    松本皮革有限会社では、ヌメ革の特性を理解した上で、最適な型入れを行い、裁断精度の高いパーツを提供しています。A3サイズ以上のヌメ革パーツの裁断をご検討の方も、ご相談ください

  • 規格製品のパーツ製作で型抜きクリッカー裁断を外注する際の注意点

    規格製品のパーツ製作を外注する際、クリッカー裁断業者の選定は品質やコストに大きく影響します。業者を探す際に押さえておきたいポイントをまとめました。

    • 対応可能な素材の確認
      依頼したい素材(本革、合皮、布、厚紙、プラスチック、マジックテープ、のり付き生地、スポンジなど)に対応しているか。

    • 裁断精度と小パーツ対応力
      規格品は寸法の正確さが求められるため、高精度の裁断技術、設備を持つ業者を選びましょう。特に曲線の小パーツ裁断に強い業者は希少です。

    • 金型製作の可否
      既存の金型が使用できるか、新規製作が可能か確認しましょう。金型製作を一貫して対応できる業者は管理コストを抑えられます。

    • 小ロット・試作対応
      規格品でも試作が必要な場合があります。小ロットや試作対応の柔軟性がある業者なら安心です。

    • 納期と量産体制
      規格品の安定供給には納期厳守が必須です。生産体制や納品スケジュールを事前に確認しましょう。週~月でどのくらいのロットが製作可能か確認して定期加工の場合は、製作予定を伝えておきスケジュールを先に確保してもらえば安心です。

    国内で高精度なクリッカー裁断を依頼したいメーカー様は、松本皮革有限会社へお気軽にご相談ください!

    @kawanarama2mo10

    端革で小パーツ作成

    ♬ Feather – Nujabes

  • 裁断加工の現場から|イニシャルパーツの型抜き(クリッカー)裁断をレポート

    ↑アルファベットのような曲線パーツもブレなく一気に裁断できるのがクリッカー(型抜き)裁断のメリット。

    革小物やバッグのパーツ製作において、同じ形状のパーツを大量に正確に裁断 するには、「クリッカー裁断(型抜き加工)」が最適です。特に、曲線や細かいデザインのパーツを切り出す際には、ズレや歪みのない高精度な仕上がり が求められます。

    今回は、イニシャルキーホルダー用の革パーツを型抜き加工での実例を交えて、クリッカー裁断の工程や仕上がりの特徴、レーザーカットとの比較なども解説いたします。

    また、松本皮革では布生地やプラスチック裁断も受け付けておりますので、ぜひ最後までお読みください。

    クリッカー裁断とは?型抜き加工の仕組み

    クリッカー裁断とは、抜き型(トムソン型や火造り金型)を使用し、強い圧力をかけて素材をカットする型抜き加工の一種です。

    特に革製品のパーツ製作に適しており、高精度な仕上がりを実現します。

    型抜き裁断3つのメリット

    型抜き裁断には、主に次メリットがあります。

    1. 高精度な仕上がり:曲線や細かいパーツも美しくカット可能。
    2. 短納期・大量生産に対応:安定した品質で一括製作が可能。
    3. 焦げや変形なし:レーザーカットと違い、熱影響ゼロで仕上がりがきれい。

     

    イニシャル革パーツの型抜き工程

    イニシャルをあしらった革製キーホルダーは、オリジナルグッズやノベルティとして人気の高いアイテムです。

    アルファベットのような曲線的なパーツを正確にカットするのに適しているのが型抜き裁断。ここでは、型抜き(クリッカー)裁断を用いた型抜き工程をご紹介します。

    型抜きするパーツの仕様

    今回のイニシャルパーツのサイズと使われた革は次のとおりです。

    • サイズ:イニシャル1文字あたり幅7.5~4cm×8cm程度
    • 使用する革:キャメル色の芯染め革、厚み約5mm

    今回は2枚の革を張り合わせたものを使うため、少々厚め。革の風合いを損ねないよう慎重に作業を進めました。

    なお、当社で裁断可能なパーツのサイズは、幅80cm×40cmくらいまでが目安となります。

    イニシャルパーツ裁断の流れ

    イニシャルパーツの裁断では、3つの工程を経てお客様にお届けします。

    1.  2枚の革を張り合わせる:上下どちらも吟面(革の表面)が出るよう革を張り合わせ。色の誤差が出ないよう貼り合わせる革の組み合わせにも気を配りました。
    2.  裁断の実施:クリッカー裁断機で型抜き。革を無駄なく使うよう抜型の配置を工夫しながら作業を進めました。
    3.  仕上がりチェック:断面のゆがみやズレ、表面のキズがないかなどをチェック。検品を経てお客様の元へお届けします。

    なお、今回の依頼はお客様から型の持ち込みがあったため、型の制作はありませんでした。

    初回は型を作る必要がありますが、一度型を作ってしまえば何度でも同じ依頼を受けられるのがクリッカー裁断の利点です。2回目以降は型代が不要なため、初回より費用を安く抑えられます。

    裁断後のパーツの仕上がり

    ↑型抜き(クリッカー)裁断の断面。裁断機で上から圧力をかけて金型で断ち切るため、熱による変質がありません。

    今回使われたクリッカー裁断には、次のメリットがあります。

    • アルファベットの裁断も歪みがない
    • 切り口がなめらかで、焦げやバリが発生しない
    • 大量の裁断でも仕上がりにブレがない

    クリッカーは、型抜きの原理で生地を裁断するため、曲線的な形でもブレなく大量に切り出せます。

    また、刃物での裁断のため、レーザーカットのような熱の影響も受けません。

    型抜き(クリッカー)は幅広い素材に対応可能

    クリッカー裁断は、型抜きを用いた高精度な裁断技術で、さまざまな素材に対応可能です。革製品だけでなく、布やプラスチックなど幅広い用途に活用されています。ここでは、クリッカー裁断の活用事例をご紹介します。

    布生地の型抜き:バッグ・ポーチ・ランドセルのパーツ製作

    クリッカー裁断は、以下のパーツカットで多く用いられています。

    • バッグやポーチの持ち手、フラップ部分:均一なサイズで大量に型抜き可能
    • ランドセルの肩紐や補強パーツ:精密な裁断と強度を保つ加工が可能

    裁断機で上から圧力をかけて生地をカットするため、柔らかい布でも断面がほつれにくく、断面の仕上がりもキレイです。

    鞄の補強材などプラスチック素材の裁断

    クリッカー(型抜き)裁断を活用すれば、厚みや硬さのあるプラスチックも正確に型抜きし、安定した品質で大量生産が可能です。鞄の芯材などで次のようなプラスチックパーツの加工にクリッカー裁断が広く用いられています。

    プクリッカー(型抜き)裁断の特徴

    • 鞄の底板・芯材:バッグやランドセルの形状を保つための補強材を精密に裁断
    • 仕切りやフレーム:内部の整理を目的としたパーツも均一なサイズで加工
    • ノベルティ・アクセサリー用パーツ:企業ロゴ入りのプレートや装飾パーツも対応

    プラスチック裁断については、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ一度お読みください。

    プラスチックの曲線・小パーツ裁断は型抜き加工が最適!依頼の流れとコストを解説

    松本皮革有限会社では他にも布生地やマジックテープなど多彩な素材の裁断加工に対応しています。

    ご依頼内容に応じた最適な加工方法もご提案いたしますので、次のリンクよりお気軽にご相談ください。

    お問合せフォーム

    裁断工賃を見える化!松本皮革の簡単お見積り

    「パーツの型抜き裁断を依頼したいけど、どれくらいの費用がかかるのか知りたい…」そんなお悩みを解決するため、松本皮革では Web上で簡単に裁断工賃を見積もれるシステム をご用意しました。

    簡単お見積りのメリット

    • 事前にコストを把握できる
      → 予算を立てやすく、発注計画がスムーズ。
    • 素材やサイズごとに工賃を算出
      → 革・布・プラスチックなど、最適な素材選びに便利。
    • 24時間いつでも見積もり可能
      → 仕事の合間や夜間など、いつでも受付。

    クリッカーによるパーツの型抜き裁断を検討の方は、 下記リンクより工賃の概算をお出しします。

    お見積り後のご相談も承りますので、お気軽にお問合せください。

  • 幼稚園ランドセルの肩紐を型抜き裁断!大ロット依頼時の注意点とは?

    ランドセルや鞄メーカーの皆様、幼稚園ランドセルの肩紐などのパーツ製作でお困りではありませんか?松本皮革有限会社では、型抜き裁断による大量生産に対応し、規格が決まったパーツを高精度・短納期・低コストで製作いたします。

    大ロットの型抜き依頼・見積時の注意点

    素材の指定:革・合皮・布など、素材の種類を明確にし、その厚み、作る製品が何か伝える。
    寸法と公差:正確なサイズと許容範囲(公差)を指定する。
    型の有無:すでに金型があるか、新規製作が必要かを確認。金型製作の費用・納期も考慮する。
    ロット数の設定:1回の発注量を決めておき、定期発注の計画を伝えるとコストメリットが出やすい。
    追加発注の可否:追加注文が想定される場合、型を保管してもらえるか、追加ロットの費用が必要か事前確認。

    ランドセルのパーツ製作をスムーズに進めたい方は、お気軽にお問い合わせください!

    当社の型抜き(クリッカー)裁断の詳細については、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ一度お読みください。

    松本皮革有限会社では、上記を加工前にご相談させて頂きます。問い合わせ前にまずは大体の費用を知りたい場合は

    コチラのページで概算費用が出せます。ご活用下さい!