2024年10月
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火造りの金型について
硬くて厚口のヌメ革を裁断する際に、火造りの金型を使用することは非常に重要です。
- 火造り金型について
火造り金型とは、熱を加えながら手作業で鍛えられた金属の金型で、非常に高い強度と耐久性を持ちます。特に硬い素材の裁断において、その強度が活かされます。スウェーデン鋼の型より厚みがあり刃の高さは高くなります。 - 強靭な刃先
火造りの金型は、鋼材を繰り返し叩いて鍛えるため、刃先が非常に強靭です。このため、硬くて厚みのあるヌメ革を裁断する際にも、切れ味を保ち続け、安定した品質での裁断が可能です。金型が変形することはありません。 - 長寿命でコスト効率が良い
硬い素材を繰り返し裁断しても、火造り金型は通常の金型に比べて摩耗が少なく、メンテナンスや交換の頻度が低いため、長期間使用することができ、作成ロットがが多いものであれば結果的にコスト効率が向上します。 - 高精度の裁断が可能
火造り金型は非常に精度が高く、裁断時のズレや歪みが生じにくいため、厚口のヌメ革のような難しい素材でも正確にカットでき、製品の仕上がりが均一になります。
これらの点から、硬くて厚口のヌメ革の裁断には、火造り金型が非常に適していることがわかります。
- 火造り金型について
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端革の有効活用について
皮革パーツの裁断で余った革を有効活用することは、コスト削減と持続可能な製造プロセスを実現するために非常に重要です。
- 材料の無駄削減
- 環境への配慮
- コストパフォーマンスの向上
材料を余すところなく使い切ることは、コストと廃棄物、双方の削減につながります。
材料の無駄削減
当社では、余った革はコインケースやキーホルダーなどの製品に変え、無駄なく使い切るよう工夫しています。裁断時に生じる廃棄部分を最小限に抑え、革の使用を効率化できるので、原材料費の節約という点でも有効です。
環境への配慮
革を無駄なく使い切ることは、ゴミと環境負荷を減らす効果もあるでしょう。松本皮革は端革の有効活用を通じて、持続可能な社会と製造プロセスの実現を目指しています。
コストパフォーマンスの向上
端革の有効活用は、材料のコストパフォーマンスと利益率の向上にもつながります。
当社では、硬くて生地の良い部位だけ使って残りは捨てしまうようなことはありません。余った革も型入れを工夫しながら小さなパーツを切り出し、無駄なく使い切っています。
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金型の配置について
革パーツをクリッカー裁断する際には、革の繊維に沿って金型を配置することが重要です。
松本皮革では、以下の4点に留意しながら作業を進めています。
- パーツの耐久性の向上
- 形状の安定
- 製品の品質向上
- 無駄を減らしコストを削減
それぞれのポイントを解説しましょう。
1.パーツの耐久性の向上
革は繊維が特定の方向に走っています。繊維に対して垂直に裁断すると、パーツが裂けやすくなるなどのトラブルが起こります。
反対に、繊維と並行に金型を配置すると、裁断パーツの耐久性が向上します。中でもストラップやベルトなど、引っ張りや負荷がかかるパーツの裁断では、繊維に沿った金型の配置が欠かせません。
2.形状の安定
革の繊維に沿って裁断すると、長く使っても伸びや型崩れが少ない製品に仕上がります。パーツ裁断をその場限りの作業とは考えず、使い続けた場合を想定して行うのが当社のモットーです。
3.製品の品質向上
繊維に逆らった裁断は製品の外観にも影響し、シワや歪みなどが生じかねません。見た目や手触りなど総合的な品質を保つため、当社では正しく繊維に沿った裁断を常に意識しているのです。
4.無駄を減らしコストを削減
革の繊維に沿った裁断は、素材を無駄なく使うことを意味します。材料費を削減につながり、コストパフォーマンスを高める要因にもなるでしょう。
製品の品質とコスト、どちらの点においても非常に重要なのが革の繊維に沿った裁断です!!
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クリッカー型抜き裁断で、抜き台(裁断板)のコンディションを保つ大切さについて。
クリッカー裁断において、裁断板をマメに削り平滑に保つことが重要である理由は4つあります。
- 裁断精度の向上
- 金型の刃の寿命を延ばす
- 裁断不良の防止
- 効率的な作業環境の維持
それぞれの理由を詳しく解説しましょう。
1.裁断精度の向上
裁断板が平滑でないと、金型の刃先が均等に接触せず、正確な裁断ができません。裁断板を削って平滑に保つことで、金型の刃先が適切に当たり、同じ形状のパーツを何度でも正確にカットできるのです。
2.金型の刃の寿命を延ばす
裁断板が不均一な状態で作業を続けると、金型の刃が偏った部分に過剰な力がかかり、刃が早く摩耗します。裁断板を定期的に削って平滑にすることで、刃が均等に接触し、摩耗が均一になり、金型の寿命を延ばせます。
3.裁断不良の防止
裁断板が摩耗して凸凹ができると、裁断時に素材がずれたり、部分的に切れなかったりするリスクが高くなります。これが品質不良や廃棄の増加につながるため、裁断板を削って平滑に保つことが、品質維持には不可欠です。
4.効率的な作業環境の維持
裁断板が平滑でないと、裁断作業に余分な時間がかかり、作業効率が低下します。
スムーズな裁断を続けるため、裁断板を定期的に整備し、常に平滑な状態にしておくことが重要です。これにより作業効率がアップしてコストを抑えられます。
まとめ
裁断の精度やコスト効率を保つため、当社では裁断板のメンテナンスを定期的に行っています。
詳しい工程をショート動画で紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
@kawanarama2mo10型抜きクリッカー裁断 裁断板の交換♬ Everything – 7SEEDS & GREEN ASSASSIN DOLLAR