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  • 床革の利用について。

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    Webサイトを開始してから、業者様だけでなく個人でレザークラフトを

    される方からも革を漉いて欲しいというお問い合わせを頂くように

    なりました。

     

    本当にありがとうございます。

     

    皆様のご要望にお応えすべく、日々精進しております。

     

    革を漉くと(当社の場合、漉き割り、ベタ漉き。)その副産物として

    床革、というものが出ます。

     

    通常の革は、スベスベした銀面(吟面と書く場合もあり)と

    ザラザラした床面(裏側)に分かれます。

     

    裏面としましたが、ベロアとかスエードとか、そっちを磨いて

    表にして使う時もあります。革はその表情を利用して色々な方法で使われます。

     

    あまり意識されていませんが、馬革のコードバンって床面を利用してるって

    知ってますか?あれって床面の中にあるコードバン層を削り出した革なんですね。

     

    当社は牛革が主なんで、コードバンは仕入れていませんが、お客様から

    お預かりして裁断をさせて頂くことが多々あります。一見銀面にしか感じられないのですが、

    あれは床革の一種なんですね。

     

    床革は実は奥深い。

     

    そもそも、牛の床革を使用するという概念というか、

    発想はクラフトされる方はあまりないのかもしれませんが・・・。

    床面の繊維構造をまとめているのが銀面であるし、

    床面は給水性が高すぎます。

    要は薄いと破れやすく、シミになりやすい為、使いやすくはありません。

     

    ただ、当社では、やはり革漉きはメイン業務なのでその副産物の

    床革は多く出ます。

    自然の贈り物である以上、いつも有効活用を考えます。

     

    先日、当社で革をご購入頂いたお客様が、床革を使ってお作りになった財布を

    持ってきて下さいました。当社で漉いた革を利用頂き作成されたとのこと。

    手触りが銀面とは違う優しさがあり、さすがの、美しい出来栄えでした。

    お見事です。

    ただ、表面を仕上げる際の汚れ、防水の処理は課題になるとのこと。

     

    難しいですね・・・。

     

    一番上の写真は、当社が床革を染めたものです。

     

    幼稚園、保育園さんでご使用頂けるランドセルのカブセ(鞄部材用語で開口部を覆うフタを指す)

    になります。

    顔料にて染め、防水加工します。

    写真はまだこれからの段階ですが、何回か染めたあと、表面をアイロンがけ

    したり、型押しをして革に表情をつけたりします。

    この部分は重量があまりかからない為、破れ変形はありません。

    また床革は軽量なので、やはり小さい子が背負うのに適しています。

    さらに床革はやはり、銀に比べ、加工がしやすいという利点もあります。

     

    職人である当社の父が考え、お客さんのご要望から導き出した方法です。

     

     

    素材は使い方で、余すところなく利用できますね。

     

    私もそういう知恵の使い方ができるように精進していきます。

     

    では。

     

     

     

     

     

     

     

     

  • クリッカー(裁断機)での型抜きについて。

    こんにちは。

     

    一つのことに集中して作業すると、気持ちが落ち着くことってありませんか?

    革で作るお仕事をされている方は、革に気持ちを集中させていらっしゃると思いますが、

    いかがでしょうか?

     

    私の場合は、クリッカーによる裁断もその一つです。様々な革製品の業者様から

    「この鞄のこのパーツ達を500組」などという形で、ご依頼頂きます。

    ありがたいことです。

     

    そして、革を広げ考えるのは、「いかに無駄なく型入れするか」ということです。

     

    自然の革は生き物の皮から出来ていますので、当然、真四角とかありえません。

    そして綺麗な場所、シワのある場所、様々です。

    型も色々な形なので、生地に当てはめると裁断した後、どうしても残ってしまう部分が

    発生します。歩留りというものです。

     

    それをいかに最小限にするか。同時に革の繊維の方向やシワを考え、均一な部材に

    していく。かつ、部材のふちがが絶対欠けないようにすること。

     

    裁断した後に残る革を見ると、経験や技術はさることながら、素材に対する理解や愛情、

    そして革への集中力など、全部出てしまう。父の裁断後の革はキレイに食べられた魚の骨みたいです。

    プレスしている時、心落ち着くのですが、自分が残す残骸を検証すると、

    心揺れますね・・・。

     

    革、素材をしっかり有効に使い切る。もっとそのことに集中せねば。

     

     

  • ヌメ革が姫路のタンナーさんから届きました。

    当社では、主に国内のタンナーさんからヌメ革を仕入れて加工をしています。

     

    愛知、岐阜、三重の皮革製品製造業者様に加工した革をお届けしていますが、
    こちらのWebサイトをオープンしてから、クラフトをされる方からも徐々にご連絡頂けるように
    なりました。本当にありがたいことです。

    当社では、牛ヌメ革を主に扱っています。入荷した革を見ると、いつもその美しさに
    驚きます。素材を大切に扱って、生まれ変わらせるタンナーさんの技術に感謝するばかりです。
    「牛革でも何が違うの?」というご質問も時おり頂きますので、少しその話を。

    よく知られている分類としては、下記があります。

     

    ①カーフ・・・子牛(生後六か月くらい)の革。柔らかくキメが細かい。
    ②キップ・・・生後六か月~2年の牛革。カーフよりはキメは粗い。
    ③カウハイド・・・生後2年以上の雌牛の革。
    ④ステア・・・生後2年以上の牡牛の革。上3点よりキメは粗いが、厚みがしっかりしており、
    製品として多く使用されています。当社ではこちらを主に扱っています。
    ⑤ブル・・・生後3年以上の牡牛の革。非常に厚く丈夫です。

    と、いうように生後どのくらいの時間が経過しているかで、大体分類されています。
    どの生物も同じだと思いますが、赤ちゃんや子供の肌はとてもデリケートですよね?
    当然希少価値も高く、高級革製品に使用されます。

    そして、人間でも男子より女子の方々の方がお肌はスベスベですよね?
    最近の男子は肌のケアもしっかりするそうなので、一概に言えないかもしれませんが・・・。

    さらに、しっかり動き回る体張った仕事をしている男性の方の手の皮って厚いですよね?
    怪我や虫刺されによるキズやシワがあったりしますが、その方にしかない味わいがあります。

    当然といえば当然の分類ですが、牛革は革の中でも流通量が多いので、しっかり
    年齢で等級分けされています。

    ただ、年齢だけでなく、個体差でヌメ革はまったく違った表情を見せます。

     

    そこが革の面白いところ。
    作り手さんや使う方を刺激してやまない理由なんですね。
    当社で革をご購入頂いたお客様も一枚一枚半裁の革を見て、
    「この革のこの辺りがいいな。」といった感じで選んで頂きました。特にプレーンなヌメ革ならではの選ぶ楽しみといったところでしょうか。

    当社では、3t(3mm厚という意味です。)、2.5t、6tなどの厚さで入荷致します。
    5枚で一把(1ロール)といった梱包で届くので、1梱包数十キロとなります・・・。

    とにかく重い。

    加工はへヴィーでハードな革との対話、いや、格闘といったところです!

     

     

  • 皆様、はじめまして

    皆様、初めまして。

    松本皮革有限会社です。もう半世紀以上あま市で皮革加工を行っています。

    この地域では、たくさんの方にお世話になっています。
    今後はより多くの地域の方にお会いできたらと思い、ホームページを作りました。
    よろしくお願い致します。

    私、松本淳が皆さんに少しでも役に立ち、楽しんで頂ける、
    お話が出来るように日々活動報告をさせていただきます。

    最初に私が小学生の頃の話を一つ。

    革は加工すると、使えない部分が出てしまいます。
    それらを集めて毎日燃やしていました。(今は、やっていません。大らかな時代でした・・・。)

    革は燃やすと、最後にトロっと溶けていきます。それが固まって冷えて灰になるのですが・・・。
    革に含まれるコラーゲンが可視化する瞬間。ヌメ革の美しい表面を触ると
    そのなめらかさに感心しますが、同時にいつもその時のことを思い出します。

    皆さんは、革に触れると何を思い出しますか?

    「革」ってなんか、懐しい。でも「革新」という言葉もあり、
    牛の皮に新しいいのちを吹き込むという意味もあります。

    是非革に触ってください!