• 姫路レザー入荷しました。

    レザークラフトにも最適な姫路レザーが入荷しました。

    半裁(牛の半身)の大きさ一枚で、約210~230デシですが、

    ご覧頂き、お好きな大きさにカットしてのご購入も可能です。

    一枚買いならお値打ちになります。

     

    保管場所にお困りの方は、当社倉庫での保管もOK。

    その上で都度必要分をカット、革漉きして、お渡しもOK。

    当社にてご購入の革は、革漉き加工料金は頂いておりません。

  • 姫路レザーについて。

    こんにちは。

    しばらくぶりの更新になってしまいました・・・。

     

    今日は、当社が主に扱うヌメ革について。

    当社は、栃木レザーと姫路(で鞣された)レザーを主に扱っています。

     

    (で鞣された)、としました。と、いうのは・・・。

     

    ご存じの方も多いと思いますが、「栃木レザー」は会社名です。

    つまりこの名前がうたわれている革は、タンナーの栃木レザーさんが、鞣して製造した革です。

     

    では、「姫路レザー」って?

    これは、兵庫県の姫路地方で鞣し、製造された革、という意味です。

    同名の会社様もありますが、こちらの会社様が製造した革だけ、という意味ではありません。

    言ってみれば、兵庫県姫路地方特有の鞣し技法で製造された革、ということです。

     

    当社も姫路地方の複数のタンナー様から革を仕入れています。

    同じ姫路レザーでもタンナー様によって、鞣し方はやはり違いますので

    ご注文の革がどの様なものかによって、仕入れを行うタンナー様も違います。

     

    じゃあ、主な国内ヌメ革、2つの違いは?

    分かりやすく、ざっくり、革を日々触る私の主観を書きます。

     

    栃木=男性的、ワイルド

    姫路=女性的、繊細

     

    こんな感じです。

     

    この違いは、鞣し方から生まれていまます。

     

    栃木レザーは、ピット漕というタンニンを浸すためのプールみたいなところに皮を

    浸けてゆっくりと長時間、数か月かけて鞣しを行います。

    時間はかかりますが、革生地にかかる負荷は少ないため、

    革は固くしまっていて、革ならではの風合いがしっかり残ります。生地は多少ムラやキズがありますが、

    とてもワイルドで、ザ・レザー!という感じでしょうか。

     

    姫路レザーは、一般的には「白鞣し」という呼ばれ方をしています。

    皮を脱毛したら、油と塩をもみこんで天日乾しにしたります。

    またタイコという巨大なドラム洗濯機みたいなところに皮を入れて

    ドラムを回して鞣していきます。この時クロム(天然の害のないクロムです)も使います。

    比較的短時間で鞣すことができ、染色しやすい白っぽい仕上がりになります。

    また表面は独特の滑らかさが感じられます。

    クロム、タンニン両方のコンビ鞣しを行いますので、両方の良いところどりというか・・・。

    栃木レザーほど固くはないですが、しっかりとしたコシもちゃんとあります。

    が、固すぎず、ソフト感も感じられます。

     

    タンニン鞣しの栃木レザーヌメ革にはかなりの張りやコシがあります。しっかり感が違います。

    しかし、クロム鞣し/コンビ鞣しが良くない訳ではありません。クロムは薬品の効果で繊維が

    しまっていてしっかりしている割にはソフトに仕上がり整形もしやすいのです。

    世の中の革製品の多くがクロム鞣しの革になります。

     

    私の個人的見解ですが、姫路レザーはクラフトに適しています。

    革の風合いはちゃんと残っています。

    美しい白なので、好きな色にしやすいです。

    経年変化の度合いは栃木レザーの方が強く感じられますが、

    クロム鞣しのいいところを取っているので色を付けやすく、

    お好きな色を加えるのが比較的容易です。

    かといって、革の表情はしっかり残っていますので、革らしさも感じられます。

    そして固すぎないので、革を断つのも、漉くのも、整形するのも、

    あまり力が要りません。機械に頼らない手作業でも加工はしやすいかと。

     

    男性用のハードなベルトなら栃木。

    女性用の繊細な(例えば)時計ベルトなら姫路。

    私はそういうイメージです。

     

     

    世の中には色々な革があります。

    タンニンとクロム。

    どっちがいいということはありません。

    また栃木も姫路もどちらもいい革ですよ!

     

    要は使い方、生かし方です。

     

    それでは!

  • ボックスレザーについて。

    皆さんこんにちは。

     

    いつもお世話になっている取引先のお客様に、

    上の写真の革を使用した部材を頻繁に提供しています。

     

    一般に「ボックスカーフ」とか「ボックス革」とか呼ばれている革です。

     

    「ボックスって?」と思われる方いらっしゃると思います。

    名前の由来は色々あるようですが、

    古くからの皮革業界の中では、「クツ用の革」という捉え方が多いです。

    この革を使用していたイギリスの靴屋さんが「ジョセフボックス」さん

    だったからという話を業界のベテラン聞にききましたが・・・、諸説あるみたいです。

     

    とにかく、カーフ(仔牛)革のクロム鞣しレザー、がこの革です。

     

    見た目、透明感があって、独特の奥行を感じます。

    紳士靴のあの感じです。

    が、その見た目よりも、クロム鞣しの利点として

     

    ・水分、汚れ、キズに強い。=多少の天候変化も気にせず使用できる。

    汚れてもサッと拭き取ればいい。

    キズがついても磨くことで十分リカバリーできる。

    ・経年変化をあまり感じない=革生地のクタクタ感や日焼けを年月が経ってもあまり感じない。

    ・柔らかいが、繊維が密=クロム鞣しなので、タンニン鞣しに比べ生地が柔らかく成形しやすい。

    クロム鞣しの場合、革の繊維はギュッとしまってくるので、破れにくいです。

     

    ザックリこんな特徴です。

    靴やケースカバーに使われる理由がなんとなく分かるでしょうか。

     

    この革って、特にプレスなんかしていると、やっぱりヌメ革と違って

    サクッとは型抜き出来ないんですね。

     

    繊維の締りがあるので、切れていない場合は、プレスの圧を上げます。

    手に持つと革のゴワゴワ感はないのに、結構強い。

    クロム鞣しの不思議を感じます。

     

    クラフトされるお客様から、時おり型抜きのご相談を頂きますが、

    特にこういった革の場合、手断ちは大変かなーとは感じます。

     

    機械、楽器、箱などのカバー、

    楽器屋さんからご要望のあるピアニカの持ち手にも

    使用します。

    キズに強く、生地は均一なので同規格量産品にも〇。

     

    規格品を作るメーカーさんはもちろん

    当社にお越しいただいたクラフトをされる方にも

    この革をご覧頂いています。

     

    どんな革でも、革は使い方。モノは使い方。

     

    作る方が、イメージするもの。

    使う方がリクエストしたいもの。

     

    自分の仕事はそのお手伝い。

     

    革を使う方に感謝。

    雨にも風にも負けないボックス革にも感謝です。

     

  • ベルト裁断と機械組み立て。

    こんにちは。

     

    先日かっこいいベルトをお作りのクラフトショップ様より、

    ヌメ革ベルト裁断のお仕事を頂きました。

     

    いつも本当にありがたいことです。お役に立てて感謝です。

    これが革を裁断する刃です。リング状です。こいつを・・・、

    こんな色んなサイズの鉄リング(ちょっと年季入ってますが)と組み合わせて、ベルト幅を作ります。リングは刃より若干小さいサイズです。

    一旦機械を分解。なかなか年季入った機器ですが、結構馬力あります。ベルト用厚革もしっかり切れます。

    組み立て中。

    オーダー通りの幅に切れるか、他のサンプル革で切ります。もし万が一サイズが合ってないなら、

     

    分解、作り直し!今回は大丈夫でした。

     

    お客様からお預かりした革。上質なベルトになるブランドレザーです。絶対きれいに仕上げます。

     

    無事成功です。

    サイズを変更して、次のベルト幅へ!

     

    とまあ、こんな感じです。

    機器の設定は3mm幅からあとはミリ単位で調整可能ですよ。

     

    ちょっと固目のヌメ革などはサックリ切れますが、柔らかい革だと

    若干寄れが発生するので、気を遣います。が、そこが腕の見せ所になります。

    ミシンと同じ要領で、リングの回転速度を革を眺めながら変化させます。

     

    以前、手断ちでベルトをお作りのクラフト作家さんからベルトを

    購入したことがあります。

     

    「俺の今できる技を、革に向かって気合を込めて、革包丁を一気に引く。」

     

    マジにかっこいい方で、生き様がベルトに表れていて、

    ホント、刀みたいなベルトでした。いや、刀でも差したくなるベルトです。

     

    機器を操作して一定規格をコツコツ作る当社ですが、でも、もちろん

    気持ちは同じものがあります。

    天然の革の場合、機器を使っても100%の部材一致は結構難しいの

    です。が、誤差を限りなく無くすことに気合をいれます。

     

    一点モノも規格モノもそれぞれの良さがあります。

     

    個人的には、ピシっと綺麗になっている中の、微妙な違い、ユラギに

    やすらぎを覚えるのですが・・・。

     

    さて、ランドセルのサンプルをどんどん作ろう。

     

    オーシャンブルーという色のランドセル用革サンプルです。

    こんな微妙な色合いの革で、最近の小学生は学校に行けるのかー。

    ウキウキしますね。桜の色に映えそうです。

     

    では。