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  • バンドマシンの刃を変えました。

    こんにちはみなさん。

    今日はバンドマシン、革漉き機の刃を変えました。

     

    一枚目の写真、高速回転する金属の板。これ、ベルト状になっています。

    古いベルトを外し、新しいベルトをセットして、安定して回転するように機器の各部分の

    ネジ、ボルトを調整していきます。

     

    アナログな機器なので、ベルトを回転させるプーリー(と呼ばれる部位)の角度や、

    刃を押す皿(と呼ぶ金属板)で大体の位置を、ベルト回転を目視、音を聞き、刃にひっかかり

    がないか確認、で、止めて、動かす、止めて、動かすをして、設定します。

     

    スムーズに気持ちよく安定して回る位置を決めます。

     

    これらの作業、最新機器はデジタル操作のできる機器もあるそうですが、

    制御が難しいとの話を、メンテナンスの職人さんから聞きました。

     

    アナログ機器は意外に壊れにくいらしいです。

    慣れは必要ですが、シンプル構造だし、機器に不具合があったときも

    ネジやボルトで調整して復旧しやすいそうです。

     

    どっちがいいとかではなく、結局のところ最終決定は人の判断になるところは一緒。

     

    デジタルで設定したデータの値が毎回正解ではないし、

    アナログ重機のネジ、ボルトの位置もそこが毎回正解とは限らない。

     

    そして、革を漉く際も、そこは同じとのこと。

     

    イタリアで、最新のバンドマシンを最近勉強されてきたそうですが、

    デジタルに値を設定しても、最終微調整は人力らしいです。

     

    で、そのデータも革一枚、個体ごと、また鞣しの具合によっても違うので、

    この種類の革は、この設定値、ということにはならないそうです。

     

    うーん難しい。

    そのうちデータを集めて、AIとかに学習させて制御。という時代も

    来るのかもしれませんが・・・、この革漉きの世界ではまだデータを集める段階というところです。

     

    トライアンドエラーを繰り返して、最適に最も近いところを探る。

    仕事ってそういうものですよね。

     

    IOT、AIの時代でも、自分の感覚を養い続けることは大切だと今日は勉強になりました。

    自分の軸、位置を見つける作業。バンドマシンの設定。

    革漉きの際の調整。

    結局、地道にやるのが近道なのでしょうか。

     

    40年もののバンドマシンを触りながら、そんな気がしました。

     

     

    バンドの位置を決めたら、回転砥石で刃を研いでいきます(2枚目写真)。

    生地を入れる方のバンドの縁が、だんだん薄く鋭くなります(3枚目写真)。

     

    研ぎ幅が大きすぎると切れ味良過ぎ。

    小さすぎると上手く刃が入らずスライスが上手くいきません。

    刃の上と下で、研ぎ幅も違います。

     

    刃が上手く研げたら、試し漉き。

     

    なんだかんだ2~3時間で無事終了。

    刃を研いでいき、また気持ち良く革が漉けるようになりました。

    職人さんのおかげでスムーズに終わりました。

    いつも本当にありがとうございます!

     

    いつも機器メンテナンスの職人さんには感謝しかありません。

    が、いつまでもおんぶにだっこじゃ成長がない。

    自分である程度出来るレベルになります。

    相手はデカいですが・・・。

     

    そして、がんばってお仕事をし続けるバンドマシンの凄さに感謝感嘆。

     

    一生付き合います。

     

    それくらい、面白い道具です。

    楽な道具ではありませんが。

     

     

    それでは!

  • 栃木レザーは革の素顔が見える。

    こんにちは。

     

    今日も厚い革を漉きました。

     

    お預かりさせて頂くクラフト用の繊細な革はもちろん加工するのですが。

    当社では、こういう荒々しい革を多く加工しています。

     

    栃木の革も色々ありますが、私は個人的には、こういう生々しい革が結構好きです。

     

    ただ、こういった素の状態のヌメ革は、牛が生きてた時の

    表情がそのまま残っています。

    またヌメは、汚れ、キズがいとも簡単につきます。

     

    工業用ならあまり問題ないのですが、こういう個性的な革を利用して

    クラフトされる場合、革生地のキズ、シワ、血筋、などを楽しむという

    感覚が必要になります。それは作るときも使うときも同じだと思います。

     

    革の生き様を愛でる感じ。

     

    生き物が生きていた時の動き、立体感、個体の歴史がしっかり革に残っています。

    だから、栃木レザーからは色々な想像をかきたてられます。

     

    若くてすっきりしたしなやかな革もいいけど、

    年季の入った固いすっぴんをいつもありがとうございます。

    タンナーさんに感謝致します。

     

    それでは!

  • 井戸の部材 巻革、サブタ

    みなさんこんにちは。

     

    写真は、手押し式井戸ポンプ用の巻皮(長い方)、サブタ(カルタみたいな小さい方)という革部材です。

    革はこういう場所(ポンプ)にも使われています。

     

    昨今、台風などの災害が多く、千葉県でも大規模な停電が発生。

    本当に大変なことです。

    そんな時、自分にできることはないか、考えてしまうのですが・・・、

    なくはない。それは仕事の中にありました!

     

    災害などで電気や水道が止まった場合、手押し井戸があると大変助かるそうで、

    井戸関連の業者さんや製作所さんに昨今井戸の設置依頼が多く、その部材の

    ご注文が継続して当社にもあります。

     

    とてもありがたい、と同時に、上記のような場面で少しでも間接的にでもお役に立てれば

    これは本望ですね。

     

    多脂レザーは適度に水分をはじく、

    水分を吸ったときに柔らかく膨張する、

    また、乾くと締まる。

     

    そういう素材特性がポンプに必要不可欠とのことです。

     

    ただ、厚みの精度ブレなく生産しないと道具にフィットしない為、

    加工時は注意が必要です。道具を製作する職人さんは、結構そこは厳しくご指摘されます。

     

    私としては、日々精進するのみです。

    お役に立てることを、コツコツ小さいことから丁寧に。

     

    それでは。

  • 経年変化した革の端切れです。

    みなさんこんにちは。

     

    写真は今年4~5月くらいに販売させて頂いていた、エイジングした端切れ革です。

    生地はそれぞれ小さく見えますが、大体全部で50デシくらいはあります。

    お値段は1000円~1500円くらいで販売させて頂いておりました。

     

    ワイルド感のある端切れなので、キズ、シワが多く含まれる生地ですが、

    個性的な生地でそういう部分を利用して小物をお作りになりたい方

    におすすめです。

    キーホルダーや、革プレートの刻印用としても良いかと思います。

     

    当社では、夏以降、ボートの持ち手に使う革を裁断した後の端切れで

    こういうものが出てきます。

     

    軽く水拭きして風通しの良い部屋に数か月~半年放置する。

    オイルはできるだけ使わないようにする。

    あまりに乾燥して、ゴワつきが出たときのみ、オイルを薄く塗る。

     

    やることはそんな感じです。

     

    端切れの為、大きい生地は少ないし、縁の革なので、シワ、キズもあります。

    そして日焼けしています。させています。

     

    ただ、使い方によって有効活用できます。

     

    いい生地のモノをできるだけ選んで準備します。

    大体30~50デシくらいになるようにまとめて、

    お好きな厚みにそれぞれ漉いてお渡しできればと考えています。

    例えば約10デシは1~1.2ミリ、約20デシは1.3~1.5ミリ、約20デシは1.8~2.0ミリとか、ご指定で。

     

    また準備が整ったら皆様にお伝えしていきますね。

     

    それでは!