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仕上がった革の種類について

みなさんこんにちは。

 

ここまでで出来上がった革の一般的な性質について以下にまとめられます。

 

他の素材と比べ優れている性質。

①感触が優れている。柔らかさ、滑らかさなど。

②保湿性があり、触ると暖かく感じる。

③気温による変化が少ない。

④適度な可塑性、弾力をもつので、各種の形状に加工できる。靴、衣料、手袋として

露出しうる肌をしっかり保護できる性質がある。

⑤切り口は避けにくく、ほころびにくい。繊維として破れにくい素材である。

 

欠点としては以下があります。

①品質、形状が一定でなく、部位によって性質の違いがあり、裁断時の歩留りが悪く、

大きい面積の場合は均質な生地になりにくい。

②色落ちしやすい場合がある。染色堅牢度が低い。

③水濡れに弱い。

 

革特有の特徴として、親水性があり、空気中の水分がおおいとき、吸収し乾いていると放出します。

同時に革が膨潤、収縮するので、面積や体積が不安定になり形状変化しやすいです。この特徴は

皮本来の特徴に由来しますが、鞣し工程のところでも説明したとおり、革になっていくにつれ、

この欠点を補う特徴が付与されていきます。

それが優れた点になっていき、革の特徴になります。

 

仕上がった革は、以下のように分けられます。主なものだけまとめました。

 

1・銀付き革  原皮の本来の銀面模様をそのまま生かして仕上げてある革。代表的なものに

ボックスカーフがあります。仔牛皮を原料として、染色、タンパク質系バインダーで仕上げをして、

アニリン仕上げなど透明感のある仕上げがしてあります。靴、ハンドバック、鞄、家具など用途は

幅広いです。

 

2・ガラス張り革 クロム革製造工程で、ガラスに張り付けて乾燥して、銀面をバフィングして、

塗装仕上げした革です。原料は主に成牛皮。銀面が均一だが、風合いは銀付き革より劣ります。

 

3・スエード 革の床面をバフして、ベルベット状に起毛させて仕上げた革。仔牛の革から作られている

スエード革は高級品です。成牛皮から製造される場合、毛羽がやや長く、ベロアと呼ばれています。

 

4・バックスキン 鹿皮の銀面を除去して毛羽建てた皮。

 

5・ヌバック  革の銀面をバフして起毛させた革。スエードより、毛足がとても短くビロード状。スエード

革をさらに滑らかにしたような革です。

 

6エナメル革 パテントレザーともいわれています。革の銀面にワニス等を塗布、乾燥を繰り返し、光沢の

ある強い被膜を作って仕上げる。ハンドバック、靴の甲革などに使われます。

 

7・型押し革 革の銀面に種々の型を加熱、加圧して模様をつけた革。ハンドバック、ケースなどに

用いられます。

 

8・タンニン革 植物タンニン鞣しによって製造されたヌメ革。鞄、袋物、ベルト、革工芸など、タンニン

鞣しの特徴を生かして様々な用途に使用されます。

 

スエード、ベロア、バックスキン、ヌバックはどれも起毛革ですが、上記の違いがあります。

 

出来上がった革は、計量(大きさを測ります)、出荷され、なんらかの製品生地として活用されていきます。

もちろん、クラフトをされる方々にも販売されます。

 

ここまで、製革についてのご紹介読んで頂いた方、ありがとうございます。

結構すでにご存じの一般的な話も多かったかもしれませんが、仕立てる前の革の製造に、

ちょっとでもご興味を持って頂けたらと思いました。

 

今後は、もうちょっと、革でお作りの方に役立つ話題になればと思っています。

 

それでは!