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フノリ、ガラス押しで床面処理します。

みなさんこんにちは。

 

天気がいいうちに、いつも床面処理をします。

革はキレイに漉いても、床面は繊維のザラつきや多少の毛羽立ちが残ります。

 

そこを滑らかにしておくのは重要です。

裁断して吟面はそのままで良いのですが、床面はなんらかの処理をしていないと

汚れるし、水分も入りやすいままです。

床面はどうしても黒ずみやすいです。

 

トコノールという糊を塗ってガラス板で磨くとツルンとします。

小さい生地ならそれでいいのですが、

半裁一枚から大量裁断となる場合、始めに床面をきれいにしてしまいます。

裁断してから全部のパーツに施すのは大変だからです。

 

その場合、フノリという海藻が原料の糊を使います。

刺身のツマ、の横に紫ががった細い海藻がよくありますが、

一応、アレを乾燥させた網状のもの、を染料業者さんから仕入れます。

 

それをお湯で溶かすと、透明なトロッとしたノリになります。

ノリですが接着性は低いです。あまりベトベトしすぎず、

乾くとサラッと生地がコーティングされます。

 

そのノリを、まずスポンジで革の床面全体にザーっと伸ばして塗っていきます。

 

2枚目写真みたいになるのですが、ちょっと分かりにくいでしょうか?

 

実はコレ、ちょっと労力を使います。

 

ノリを伸ばしつつ、ガラスに木の取手のついた器具(大体30センチ弱くらいの幅)で、革をこすっていきます。

この道具は、濡らした革を伸ばす場合にも使いますが、

ガラス板は床処理にも使います。

 

ガラスでしっかり擦ることで、より床面が滑らかになります。

 

最近、漉き加工にお預かりした革も、裏処理が見事でした。

私も負けないようにがんばります。

でも、半裁一枚は手が疲れます。

 

自分としては、しっかりヒトこすりに集中して、革が伸びない、

フノリが厚くなり過ぎない、均等滑らかに、をモットーに作業します。

あまりノリが多くてもパキッとして革がゴワつきます。

 

まあ、触って気持ちいいなら良しとします。

 

手を怪我しないことを考え、無理はしません。

小さい生地でもムキになってやり過ぎると、

革と手を傷めます。

落ち着いて丁寧にやります。

 

そうすると案外すんなり終わるものです。

気長にやります。

 

それでは。