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ボックスレザーについて。

皆さんこんにちは。

 

いつもお世話になっている取引先のお客様に、

上の写真の革を使用した部材を頻繁に提供しています。

 

一般に「ボックスカーフ」とか「ボックス革」とか呼ばれている革です。

 

「ボックスって?」と思われる方いらっしゃると思います。

名前の由来は色々あるようですが、

古くからの皮革業界の中では、「クツ用の革」という捉え方が多いです。

この革を使用していたイギリスの靴屋さんが「ジョセフボックス」さん

だったからという話を業界のベテラン聞にききましたが・・・、諸説あるみたいです。

 

とにかく、カーフ(仔牛)革のクロム鞣しレザー、がこの革です。

 

見た目、透明感があって、独特の奥行を感じます。

紳士靴のあの感じです。

が、その見た目よりも、クロム鞣しの利点として

 

・水分、汚れ、キズに強い。=多少の天候変化も気にせず使用できる。

汚れてもサッと拭き取ればいい。

キズがついても磨くことで十分リカバリーできる。

・経年変化をあまり感じない=革生地のクタクタ感や日焼けを年月が経ってもあまり感じない。

・柔らかいが、繊維が密=クロム鞣しなので、タンニン鞣しに比べ生地が柔らかく成形しやすい。

クロム鞣しの場合、革の繊維はギュッとしまってくるので、破れにくいです。

 

ザックリこんな特徴です。

靴やケースカバーに使われる理由がなんとなく分かるでしょうか。

 

この革って、特にプレスなんかしていると、やっぱりヌメ革と違って

サクッとは型抜き出来ないんですね。

 

繊維の締りがあるので、切れていない場合は、プレスの圧を上げます。

手に持つと革のゴワゴワ感はないのに、結構強い。

クロム鞣しの不思議を感じます。

 

クラフトされるお客様から、時おり型抜きのご相談を頂きますが、

特にこういった革の場合、手断ちは大変かなーとは感じます。

 

機械、楽器、箱などのカバー、

楽器屋さんからご要望のあるピアニカの持ち手にも

使用します。

キズに強く、生地は均一なので同規格量産品にも〇。

 

規格品を作るメーカーさんはもちろん

当社にお越しいただいたクラフトをされる方にも

この革をご覧頂いています。

 

どんな革でも、革は使い方。モノは使い方。

 

作る方が、イメージするもの。

使う方がリクエストしたいもの。

 

自分の仕事はそのお手伝い。

 

革を使う方に感謝。

雨にも風にも負けないボックス革にも感謝です。