2019年10月
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ひたすらプレス裁断する一日になっています。
みなさんこんにちは。
大型台風が来ていますので、お互い自身の命を守る行動をしていきましょう。
幸いにも、今のところ当社工場のある地域は、大事無く済んでおります。
雨が強いですが、そのような情報と、外の雨風の音に耳を傾けつつ、
静かにプレス裁断に向き合っています。
プレス機の音は、バンッ、バンッ、という裁断音の連続なので、静かではないのですが、
それに集中するので、
心は以外にも静かになっていきます。
ただ、一瞬の気の緩みで、裁断ミスからの不良パーツ発生、
指の大けが、に繋がりますので、集中が必要です。
革製品をお作りの方をお見受けすると、そんな集中した地道な作業が、
精巧で美しい製品を生み出すということ、本当に理解できます。
プレス裁断は、かなりの単純作業の膨大な積み重ね。
色によっては、10万枚とか・・・、結構な数です。
ありがたいことに、高齢の社長が手伝ってくれます。
先ほど、心静か、とか書いてしまったのですが、実は時間が経てば経つほど
頭の中がうるさくなってきます。私は。
集中はするのですが、人間なので、頭の中で色々と考えてしまうのです・・・。
雑念?
こういう、単純な、時間を捧げる仕事をしていていいのか?
これからの時代、色々なものがもっと便利な機械にとって代わられるんじゃないの?
この、単純な仕事に埋没している時間ってどうなんだろう?有益なのか?
他にもっと多く利益化できる仕事ってあるんじゃないか?
よこしまな考え?
本当に、自分は、誰かの役に立っているのだろうか・・・?
そういうことを考える自分って、何様だ?
まあ、実際、そんな深刻ではないのですが、頭の中がグルグル。
でも、私が思うに、
作り手さんが大変なこと、面倒なことを手伝ったりして、
便利なサービス、欲しい革を、自分ができる限りで用意していければ、それでいいのです。
それしか出来ません。
そういうことを感じて、しっかり考えて、動いて、涼しい顔で汗をかく。
今はそれしかできないし、
有り難いことに、お声がかかる十分なお仕事があるだけで、今に感謝。
社長がやっている、空気を吸うみたいに仕事するって
そういうことなのでしょうか?
泥臭い物理的単純作業、いいじゃない!
考えるなど、お前何様?仕事があるだけで、もう十分でしょう。
そもそも、そんな贅沢な考えができるだけ、まだ全然余裕があるということ。
お客さんがちょっとでも楽になるなら、
それで良し!
それで終わりでいいじゃないか。
多分、機械ならそんな雑念なしで、無限に集中して作業が行えるのでしょう。
人間と機械の大きな違い。
機械は疲れないし、正確だし、無駄な思考がない。完全ストレート。
自分は機械じゃない。
だとしたら?
ちょっとでも、お客さんが、
楽になるなら、何をしようか。
そういうことを考えて、色々やってみる。
で、気に入って頂ければ、
それで、良し!
今日はごちゃごちゃ考えてしまいました・・・。
案外雨の日って、こうなりますね。
それでは。
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バンドマシンの刃を変えました。
こんにちはみなさん。
今日はバンドマシン、革漉き機の刃を変えました。
一枚目の写真、高速回転する金属の板。これ、ベルト状になっています。
古いベルトを外し、新しいベルトをセットして、安定して回転するように機器の各部分の
ネジ、ボルトを調整していきます。
アナログな機器なので、ベルトを回転させるプーリー(と呼ばれる部位)の角度や、
刃を押す皿(と呼ぶ金属板)で大体の位置を、ベルト回転を目視、音を聞き、刃にひっかかり
がないか確認、で、止めて、動かす、止めて、動かすをして、設定します。
スムーズに気持ちよく安定して回る位置を決めます。
これらの作業、最新機器はデジタル操作のできる機器もあるそうですが、
制御が難しいとの話を、メンテナンスの職人さんから聞きました。
アナログ機器は意外に壊れにくいらしいです。
慣れは必要ですが、シンプル構造だし、機器に不具合があったときも
ネジやボルトで調整して復旧しやすいそうです。
どっちがいいとかではなく、結局のところ最終決定は人の判断になるところは一緒。
デジタルで設定したデータの値が毎回正解ではないし、
アナログ重機のネジ、ボルトの位置もそこが毎回正解とは限らない。
そして、革を漉く際も、そこは同じとのこと。
イタリアで、最新のバンドマシンを最近勉強されてきたそうですが、
デジタルに値を設定しても、最終微調整は人力らしいです。
で、そのデータも革一枚、個体ごと、また鞣しの具合によっても違うので、
この種類の革は、この設定値、ということにはならないそうです。
うーん難しい。
そのうちデータを集めて、AIとかに学習させて制御。という時代も
来るのかもしれませんが・・・、この革漉きの世界ではまだデータを集める段階というところです。
トライアンドエラーを繰り返して、最適に最も近いところを探る。
仕事ってそういうものですよね。
IOT、AIの時代でも、自分の感覚を養い続けることは大切だと今日は勉強になりました。
自分の軸、位置を見つける作業。バンドマシンの設定。
革漉きの際の調整。
結局、地道にやるのが近道なのでしょうか。
40年もののバンドマシンを触りながら、そんな気がしました。
バンドの位置を決めたら、回転砥石で刃を研いでいきます(2枚目写真)。
生地を入れる方のバンドの縁が、だんだん薄く鋭くなります(3枚目写真)。
研ぎ幅が大きすぎると切れ味良過ぎ。
小さすぎると上手く刃が入らずスライスが上手くいきません。
刃の上と下で、研ぎ幅も違います。
刃が上手く研げたら、試し漉き。
なんだかんだ2~3時間で無事終了。
刃を研いでいき、また気持ち良く革が漉けるようになりました。
職人さんのおかげでスムーズに終わりました。
いつも本当にありがとうございます!
いつも機器メンテナンスの職人さんには感謝しかありません。
が、いつまでもおんぶにだっこじゃ成長がない。
自分である程度出来るレベルになります。
相手はデカいですが・・・。
そして、がんばってお仕事をし続けるバンドマシンの凄さに感謝感嘆。
一生付き合います。
それくらい、面白い道具です。
楽な道具ではありませんが。
それでは!
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栃木レザーは革の素顔が見える。
こんにちは。
今日も厚い革を漉きました。
お預かりさせて頂くクラフト用の繊細な革はもちろん加工するのですが。
当社では、こういう荒々しい革を多く加工しています。
栃木の革も色々ありますが、私は個人的には、こういう生々しい革が結構好きです。
ただ、こういった素の状態のヌメ革は、牛が生きてた時の
表情がそのまま残っています。
またヌメは、汚れ、キズがいとも簡単につきます。
工業用ならあまり問題ないのですが、こういう個性的な革を利用して
クラフトされる場合、革生地のキズ、シワ、血筋、などを楽しむという
感覚が必要になります。それは作るときも使うときも同じだと思います。
革の生き様を愛でる感じ。
生き物が生きていた時の動き、立体感、個体の歴史がしっかり革に残っています。
だから、栃木レザーからは色々な想像をかきたてられます。
若くてすっきりしたしなやかな革もいいけど、
年季の入った固いすっぴんをいつもありがとうございます。
タンナーさんに感謝致します。
それでは!
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井戸の部材 巻革、サブタ
みなさんこんにちは。
写真は、手押し式井戸ポンプ用の巻皮(長い方)、サブタ(カルタみたいな小さい方)という革部材です。
革はこういう場所(ポンプ)にも使われています。
昨今、台風などの災害が多く、千葉県でも大規模な停電が発生。
本当に大変なことです。
そんな時、自分にできることはないか、考えてしまうのですが・・・、
なくはない。それは仕事の中にありました!
災害などで電気や水道が止まった場合、手押し井戸があると大変助かるそうで、
井戸関連の業者さんや製作所さんに昨今井戸の設置依頼が多く、その部材の
ご注文が継続して当社にもあります。
とてもありがたい、と同時に、上記のような場面で少しでも間接的にでもお役に立てれば
これは本望ですね。
多脂レザーは適度に水分をはじく、
水分を吸ったときに柔らかく膨張する、
また、乾くと締まる。
そういう素材特性がポンプに必要不可欠とのことです。
ただ、厚みの精度ブレなく生産しないと道具にフィットしない為、
加工時は注意が必要です。道具を製作する職人さんは、結構そこは厳しくご指摘されます。
私としては、日々精進するのみです。
お役に立てることを、コツコツ小さいことから丁寧に。
それでは。