2019年10月

  • バンドナイフの刃も負ける革の固さと集中力。

     

    みなさんこんにちは。

     

    革って結構硬いということは、革で様々なものをお作りの方でしたら、

    ご存じかと思います。

     

    ただ、同じ生地の一枚の革でも、自然のものである以上、部位によって

    固さは違います。

     

    私も自分の背中とお腹を触ると、背の皮は少し硬く、腹の皮は(たるんでいるのか)柔らかい

    のが分かります。

    足、手はよく使うので硬い。

    首周りはシワが出来やすい。

     

    とってもザックリですが、牛さんもまったく同じです。

    また、鞣しの具合によっても、革の硬さはロットによって変化します。

     

     

    そして他に革漉き屋が気にするのは、革を干す際に革をひっかける為の穴です。

    一枚目の写真がそれです。

     

    この部分周囲は、干すと革の重量がかかります。

    重量がかかると密度が高くなった状態が保たれたまま乾いていって、革になっていきます。

    すると、どうなるか。

     

    実は、かなりの硬さになります。

    革漉き屋は、「骨」と呼んでいます。

     

    バンドナイフの刃は高速回転しているので、とっても危険です。

    物体が触れると一瞬で切り落とされます。

    その刃に勝ってしまうくらいの硬さです。まさに「骨」

     

    そのくらいの硬さなんですが・・・・、

    未熟者の私は集中が足りず、その部分をバンドマシンに通してしまいました・・・。

     

    するとどうなるか。

     

    試し漉きでしたが、バンドマシンの刃が欠けてしまいました!

    1枚目写真の床面筋は刃こぼれ跡です。

     

    しかし、バンドマシンは常に刃を研ぎながら作業をしているので(2枚目写真)、

    しばらく時間をおくと、刃がまた鋭く研がれ、切れ味は回復します。

     

    やってはならないことなので、意識を集中せねば!

    まだまだ全然ですね。

     

    栃木レザーのような、厚い半裁を漉く際はこの部分を必ずカットします。

    機械と刃にかなりの負荷をかけてしまうので、注意が必要です。

     

    バンドマシンの刃と同じように、高速で動きつつも

    意識のキレをよくするために、

    しっかり自分を研鑽するのが大切。

     

    無駄なもの、いらないものを、削り落とす。

    集中するときは、シンプルに革を見る。

     

    まだまだですね・・・。

     

    がんばります!

    勉強になります。それでは!

  • 裁断パーツの革漉き(ベタ漉き)依頼について

    こんにちはみなさん。

     

    写真は、裁断した革製品パーツです。

    当社では、お客様からオーダーを聞いて、革を染め、パーツに裁断する業務を致します。

     

    その際、パーツごとに厚さが1.1~1.2ミリ、1.3~1.4ミリ等微妙に厚さが違うので、

    革漉きをしていきます。

     

    写真だと分かりづらいのですが、それぞれすこしづづ厚さが違っています。

    これらのパーツをパーツごとに漉いていくのですが、

    数量が多いので大型漉き機で一気に作業を行います、

     

    お問い合わせ頂くお客様で、「パーツにしたものでも革漉き大丈夫ですか?」

     

    とのお声頂きます。

    枚数が10枚以下とか、ご依頼しにくいかもしれませんが、

    お受け致します。

     

    革生地の場合、大きさA4より大きい場合、お持ち込み頂いた方は、

    基本一枚400円、同一厚、同一質の革なら2枚目から250円が料金です。

     

    が、パーツや端切れの場合、革の重さ、厚さにもよりますので、

    お問い合わせ頂けますと幸いです。

     

    目安ですが、パーツ、端切れで、厚み指定が色々ある場合は、

    宅配サイズ60㎝(一番小さい箱サイズ)に入るくらいの量(~3KG)位までなら、

    1000円~1500円(厚さオーダーが一種類とか、シンプルなら安くなります。)

    が料金です。

     

    ご依頼に関して、より分かりやすくしていきます。

    溜まっている革を漉いておきたい、急に漉く必要がある、などお困りの際はお声掛け下さい。

    メーカーさん業務とバランスを取って行いますので、早目にご指示頂けますと幸いです。

     

    が、まずは誰でもいつでも、頼みやすい。

    そこを目指します。

    そういう作業体制にしていきます。

     

    今後ともよろしくお願い致します。

     

    それでは!

  • 革漉き後の厚さ確認。

    みなさんこんにちは。

     

    革の厚さ確認しています。

    職人の社長は手で「1.7ミリ」とか、分かるようですが、

    私は未熟ですので、手の感覚とノギスの数字を照らし合わせます。

     

    職人は、「ゲージはいけない」とよく言いますが、

    それは過去に星の数程の、加工経験があり、そのデータが体に入っているからです。

    ただ、数字を見て思うのは、

     

    手の感覚は結構、信頼できる。

     

    ということです。

    例えば、髪の毛の太さは、あんなに細いものでも、

    手で触ると「こっちが太いかな?」とか感じられるものです。

     

    革でお作りの方なら、触ることで大体の厚みは

    判断できるかと思います。

     

    機械的に数字に頼ると、機器に不具合がある場合、間違いが起こることもあるので、

    感覚も大切にしていきます。

    なので、道具と身体、両方が大事だと思います。

     

    とても細かい話ですが、実はバンドマシンに革を入れると、革に圧力が

    かかります。だから、革によっては機械に通した後、密度が高くなります。

    その関係で、漉いた直後厚さを測り、その時丁度良くても、一日経って生地が緩んでくると、

    革が戻りまだ厚かったということもあります。

     

    なので、革が柔らかい場合、時間を置いてから再度確認するように致します。

    なるべく革に負荷をかけたくないので、何回も漉くのは避けたいのですが、

    オーダーに許容できる範囲か、確認します。

     

    今回は、大丈夫でした!

     

    その辺りも見越して、加工がスムーズにいくように、日々色々な革で勉強させて頂いてます。

    いつもご依頼ありがとうございます!!

     

    それでは。

  • カットレザーの革漉き・ベタ漉き後の床革は有効活用して頂けるようお返ししています。

    みなさんこんにちは。

     

    写真のようなA4カットレザーのベタ漉き、ご依頼頂くことがあります。

     

    漉きシロ(漉く部分)が少ない場合、床革が薄く破れ、ちぎれが出てしまいます。

    その場合は、返却しても、ご活用頂けないと判断してそのまま廃棄致します。

     

    ただ、写真のように、ある程度きれいに床革が残りましたら、基本はお返し致します。

     

    もし、必要なく、こちらで処分をご希望の際は、漉き依頼の際、そのようにお伝え下さい。

    こちらで活用、もしくは、廃棄致します。

     

    ただ、床革でも、芯材、内張り、サンプル作成、練習用、またはアイデアを出して

    製品、作品にすることもあるかもしれません。

    私も、そういうアイデアをこちらなどで、出していければと考えています。

     

    当社のようなベタ漉き、漉き割りの業者であれば、このような素材が出るので、

    しっかりした強度の床革がある場合は、ご希望の業者さんに販売する場合も

    あります。

     

    ご希望の際は、お申し付け下さいね。

     

    キレイな床革が出たら、それはそれで、

    上手く漉けたな、とは思うのですが、

    その後は、活用を考えます。

     

    とにかく、革漉きで出た際の床革、

    しっかりしたものでありましたら、お返ししております!

     

    それでは!