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酸性染料について。

みなさんこんにちは。

 

キャメル小さく染めた時の写真です。

 

今日も染料の話です。

皮革において一番重要なのは酸性染料です。使用されている大半の染料がこれに当たる

からです。弱酸性溶液中で染色できることからこの名称で呼ばれていますが、

以下に大きく分かれます。

①均染・浸透型・・・染料の吸じんを強くするため強めの酸性PH3~4位で色を吸じんさせて染色します。

ベースとしてこちらを浸透、染着させて、

②表面染着型・・・こちらを使って色の表面濃度を高くします。PH5~6で染料を吸じんさせます。

こちらは、湿潤状態では少し色落ちがおこります。

両方を使って染色し、加脂をしたら、一度水洗い(ソービング=表面に残った色を落とします)

その後、テンション乾燥します。

他に③金属塩錯体染料、があります。含金染料ともいいます。耐光性、湿潤堅牢性はかなり高い染料です。

色はそれぞれありますが、暗めの色調の染料で、金属塩がタンパク質と錯体を形成するのを利用しています。

 

もう一つ、直接染料というのもあります。

 

そのままで染着が強いものがありますが、多くは酸を添加することで安定化します。上記の酸性染料より

色がハッキリしているものが多いのが特徴ですが、表面に色が入る、表面染着型の染料といえます。

 

大体、①~②で染めていくのですが、②の工程では、塩基性染料を使うことがあります。

クロム革には中性、タンニン革では酸性溶液を用意して染着させます。上掛け染料として

使用して、こちらも特徴である発色の良さを出していきます。耐光性は弱いのですが、

染めた時の発色はいいです。

 

経年変化ですぐに色があせてくる場合はこの染料の可能性もあります。

ただ、製品だけを見てどういう工程でその生地が出来たかを知るのは困難です・・・。

 

他色々な性質の染料がありますが・・・、ほとんど上記の染料の製品(革)と考えていいかと思います。

特徴的なものでは、ホルマリン鞣し後の鹿革で使う、建染染料があります。

いわゆる藍染め、インジゴ染料として使われています。空気に触れないように丁寧に揺らして染めて

その後空気にさらして酸化発色させるってのを繰り返します。

 

個人的に興味あるのが、天然染料なのですが、植物から抽出した染料で、皮革用ではヘマチンといって

ログウッドから得られる染料が有名です。鉄、チタンで媒染してちょっと青味の入った黒色になります。

他にも天然染料はたくさんあります。

ただ、革に色を定着させていくにはそれなりの量が必要になってきます。

 

リクエストがありましたら小さく染めていくのを始めています、が、

まだまだ修行中ではあります。

 

みなさんのイメージを具現化できるようもっと練習しますね。

 

それでは!