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革の部位の名称について。

みなさんこんにちは。

 

写真は半裁(一頭の牛の半身、写真は左半身)の革をランドセル用に染めたものです。

今日は革の部位(名称)について。

 

牛の身体をまずは想像して下さい。お腹で開いて、四肢が上下に向いている状態です。

頭回り・・・ヘッド(顔はフェイス、頬のところはチークともいいます)

首回り・・・ネック

ここまでの肩までを含む革、または肩部のみの革を・・・ショルダー

足とお腹・・・ベリー(英語で腹)

 

半裁(背中で分割した革)の場合は、お腹の方と背中の方で分割した背中側は・・クロップcrop

(背中の縁が直線にカットしてある場合)

お腹側の広いところは・・・サイド

 

丸革(一頭の革)より、ヘッド、ショルダー、ベリーをカットして残った革=背中~お尻の革・・・バット 

で、その丸革バットを背中に沿って分割した革を・・・ベンズ

 

ベンズ?

英語だとbends表記です。

bendは曲げるという意味ですが、sが付きますね。複数形になって動詞が名詞化した単語です。

で、合わさった部分、という意味もあるようです。

 

すいませんちょっと分かりませんが、昔の話ですが、父と話していた時に「盾みたいな形」

だからという話があったような・・・・。

 

まあ、ベリー、ショルダーをカットして残る部分がバット、それを分割するとベンズなのですが、

確かに盾みたいな形のような・・・。ベンズに英語でそういう意味があるか定かではありません。

盾を斜めに構えた時のことをそういうとweblio辞書に書いてありました。

ごめんなさい、ここまでしか分かりませんでした。

 

よく「バット」と「ベンズ」何が違うの?と聞かれますが、「ベンズ」は丸革のバットを背中に沿って縦に分割した革、

という認識です。

または、半裁のクロップからショルダーをカットした革、という認識です。

 

背割り、腹割りいずれのカット方法にせよ、ベンズは革生地でもっともキレイで平滑で繊維が密な部位です。

 

半裁の場合、単純にお腹側と、背中側で分割した革もあります。

半裁のお腹側をカットした革・・・サイド 横腹っていう感じの呼び方でしょうか?

単純に半裁の革を、「サイド」って呼ぶこともあります。

確かに半身ですし。

半裁の背中側をカットした革・・・ハーフバック バッは身体の後ろ側(背中)ってところだと考えられます。

この革は上述の「クロップ」とほぼ同じ部位の革です。

ちなみに「縁革(エンカワ)」はヘッド、ショルダー半分くらい~お腹のベリー~お尻の方の一番ふちっこの革、

と国内では言われています。生地として使いにくいこういった部分は、最近だとヴィンテージ風の加工が

なされたりして、上手に格好よい生地になったりしていますね。あとは小さい革パーツになったり、

端切れとして販売されたりします。

図解とかで見ると、色々名称が書いてありますが、基本英語の名称をそのまま使っている感じなので

牛肉の部位みたいに「なんでこういう名前なんだ。」というひねった呼び方は少ないかと思います。

 

すいません。認識、認識、と書いてますが、実際、革の部位は国や地域でカット方法や名称が、

それぞれあるようなので、名称はあくまで一般的、代表的にそう呼ばれている、というところが

実態です。正直、あまり厳密でもなく、お互いの話の信頼関係でまだ成り立っているようなちょっと

古風といえば古風な業界です・・・。

それが、革の業界のおおらかなところと言いいましょうか、問題といいましょうか。

 

名称を使って会話するとオシャレだし、そういう単語を使うとカッコいいのですが、この名称もほとんど

米国からきたもので、日本の皮革業界で加工裁断や売買で混乱ないように、一応一般名称として

落とし込んでいる一つ一つの単語です。

 

大事なのは革を扱う際、お客さんと話が食い違わないようにすることです。オンラインがデフォルトになり

つつある昨今の世の中、名称とかももちろん大事ですが、きちんと相手の意図を理解して仕事するのは

もっと大事になるでしょう・・・。

かくいう私自身もそういう基本が、まだまだだなー、と日々反省しています。

 

なので、ここまで長々話をしましたが、まあ、部位の名前はザックリでいいのかな、と。

大切なのは、そこの場所の革の性質を理解して最適利用することです。

その話は、長くなるからまた次回します。

 

それでは。