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革漉きの方向。

晴れた日は、染めたり漉いたりするのに良い日です。

色は入りやすく乾きが早い。

革に刃が入りやすい。

 

そういう日は仕事が進む日なので、ラッキーな一日になります。

でも雨なら雨で他のことに注力しやすいので、どっちがとはいいませんが、

やはりどちらもラッキーなのです。

 

それはさておき、

 

革をバンドナイフに入れる場合、生き物の後ろ部分から入れ

頭が最後になるように入れていきます。

後ろ部分の方が生地が広くしっかりしており、最初に比重がかかって

革が引っ張られても伸びにくいからです。

逆から入れると場合によっては、生地にシワが寄ってロールに巻き込まれ

生地を傷めてしまいます。

 

が、半裁まるごと漉きではなく、最近は腹から背に向かって30~50㎝幅に

カットしてお持ち頂く場合もあります。クラフトに取り組みやすいサイズです。

この場合・・・・、

革をお持ち頂いた時の漉き具合にもよりますが、

大体は、腹から背に向かって入れていくことが、多いです。

 

革は鞣しの後、伸ばして生地をならしていきます。

大体中心から四肢に向かって放射状に生地をならして(伸ばして)いきます。

すると・・・、

中心、すなわち背が若干薄く、腹が厚くなっています。

革にもよりますので、一概にはいえませんが、

厚くてしっかりな方を先にいれると刃がしっかりはいりやすく、滑りも少ないです。

 

どちらが頭で、どちらが尾か、大体動物の姿を想像すれば分かります。

革は生き物なので個体差があり、上記の法則が絶対ということはないです。

が、背割りしてある半裁や、四肢の沿革をカットしてあるクロップなどを

見つけたら、まず動物が生きていたときの姿や、鞣し伸ばしの工程を

想像して革を見ると良いです。

ここはハードな部分だとか、ここはソフトな部分だとか、

手で触りながら感触をつかんでいくと、使用用途のイメージがつきます。

 

多分大昔の、例えば縄文の方々なんかは、そうして革を

選んで、切ったり伸ばしたりしたのかな。

 

なんて、想像してしまいます。

 

写真はネイビーに染めて、漉いた革です。