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革の脂はしなやかさ、艶を生みますが、厚みをどのくらい残すかは検討が必要です。

みなさんこんにちは。

 

こちらでは、革漉きや革加工に関して裏話的に私が日々行っている

業務をお伝えしています。

そんな中で、何か革で作る際にお役に立てることがあればと考えています。

 

そこで、一つお伝えです。

 

みなさんご存じかと思いますが・・・、

 

革には、脂がある程度含まれています。

触って柔らかく、しなやかで、底光りしている革は、

オイルが含まれている、ということが想像できるかと思います。

そうでない革、例えばヌメ革でも結構含まれていたりします。

 

漉いた後、脂が機械に結構残ります。

 

日々色々な革を漉きます。

革を漉くと、その革の脂分が感じられるのが、

漉き終わった後、バンドマシンのロール(生地を入れる金属ロール)部分を触る時です。

 

もちろん機械を完全に止めてからですが。

 

革を漉き終わると、革を巻きこんでいくロールに脂が残ります。

ある程度の圧力をかけて革を巻きこむので、圧縮された革から

オイルが染み出ます。

 

ロールを触るとその感触(しっとり感、ヌルッと感)で、革に含まれている脂分の多い少ないが、

分かります。

 

特に、染料、芯染めの革は、染めた後、革にある程度オイルを戻すので、

しなやかになっている場合がありますが、オイルが結構多い場合もあります。

ただ、オイルを戻していかないと乾かした後に革がゴワつくので、

そこは必要です。加工しずらくなってしまいますから。

 

ただ、オイル量が多いような革は「柔らかいなあ」「弱いかも」など、触って分かります。

使用用途にもよりますが、

薄く漉くことは当社なら0.8ミリくらいまでなら、ベタ漉き致します。が、

せっかくの革の張りコシがなくなるのは、もったいないなあ、と感じることもあります。

 

難しいところです。

オイルレザーって、とっても革生地として艶があっていいのですが、

薄くし過ぎるとせっかくのその良さが、生かせないことがあると思います。

 

 

作業後はロールを掃除します。

脂が残ると、革の粉が付着して汚れになってしまいますので。

 

 

革はそのままだと、乾いて、固くなっていきますが、

手で触りながら使うと、

手の油分が革製品に馴染じみます。

撫でてあげると、革に栄養が与えられるからです。

 

革を育てるって、大切に撫でてあげながら、

生かして使ってあげるということです。

 

ただ、栄養(油)を入れ過ぎ(塗り過ぎ)は、革を弱くします。

そこは注意が必要です。

 

面白いです。

どうやって加工するか?

どういう接し方で使うか?

 

それによって、その後の姿がそのまま変わる。

そして変化に時間がかかる。

その変化や姿は、自分がやってきたこと、そのまま。

 

革って、素直ですね。

 

それでは!