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薄暗いところでヌメ革の立体感を見る。
みなさんこんにちは。
これは私の個人的な見解ですが、薄暗い場所で、革に少しだけ光を当ててて見ると
その革の波打ち方や、血筋、シワ、がよく分かります。
裁断していく前に、革の繊維の流れやシワの方向、キズや血筋の位置を把握、
その後型入れして、どのパーツをどの辺りで裁断するか、大体位置決めします。
その際、革を広げて明るいところで見ると、細かい汚れ、キズ、シワの位置に
目が行きます。
どうしても、そこを避けて裁断するという思考に陥るのですが、
本当は、そういう部分も生かしつつ、革の味が出る裁断方法をイメージしたいものです。
革を広げた時すぐにそれがイメージできたらいいのですが、
時々分からなくなる時があります。
そいういう時、個人的にですが、少し暗い場所で離れて革と向き合ってみます。
あとこれは私だけでしょうが、黒の革も暗い場所で、
懐中電灯をつけて照らしてみたりします。
動物に対して、ケモノ、という言い方を私たちはしますが、
自然のパワーに畏怖を感じてそう言ってしまうのかもしれません。
夜の革はそれを教えてくれます。
ヌメ革の薄青い皮膚は、まだ魂がそこにありそうな気配すら感じます。
しっかり表面処理した革も美しいのですが、
個人的には皮らしい革に魅力を感じます。
当たり前ですが、皮は元々立体、肉体を包む組織だったということが分かります。
だから革は、新たに何かを包む素材にはうってつけです。
よって革を見る時、同時に製品のデザインも頭に入れて、パーツ位置を考えて決めます。
平面を断つ、じゃなくて、皮を上手に頂く為の瞑想の時間。
今晩も革を眺めてみました。
製品のパーツに生まれ変わるので、責任持って無駄なく革が生きる形にします。
それでは。