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仕上げ工程の準備。

 

みなさんこんにちは。

ここまで、原皮~鞣し~染色、加脂、と工程をざっとご紹介してきました。

やっとここから革が製品になっていく最終段階に入ります。

 

が、ここでも準備作業から入ります。各工程でも、化学的、もしくは物理的準備作業を行わないと

工程がスムーズに進まない為薬剤等を用いたりしてきました。仕上げ作業は主に物理的作業を

丁寧に行っていきます。

 

目的①②加脂剤、染料の固着を強化して、染色堅牢性、耐久性、柔軟性の向上を図る。同時に乾燥。

・・・革はもともと皮のときほぼ円筒形状の為、これを革として利用する場合、革を平板状に

伸ばしてシワを伸ばす必要があります。その際水絞り、伸ばしの作業を行うことで、皮タンパク質の

親水性が乏しくなります。同時に鞣剤、染料、加脂剤の塩基結合が強力になります。

馬掛け(といいまして、木製の馬という道具に一晩濡れた革を掛けます)で、水分量7~8割

水絞りで、5~6割、ガラ干し(自然乾燥)で水分量10~5%まで持っていきます。

 

目的③革の柔軟化

・・・革に物理的負荷を加えて柔らかくします。加脂後も革は乾燥すると硬くなっていきます。

一旦乾燥したら、味入れ(という革にすこし水分を含ませる作業)を行い、タイコに革を入れて

そのまま回す、空うち、革を振る機械で、バタ振り、ステーキングマシンで、革を揉む、など

仕上げる革の風合いを考慮して行います。

繊維の打解、引っ張り、をするとき、乾燥したまま行うと革繊維が破壊されてしまうことがあるので、

味入れの具合(大体3割くらいの水分量)は重要です。

 

目的④革の平板化

・・・革の塗装を行うため、革を平らにセッティングします。網または板に革を張り付けて乾燥、平板化します。

 

上記作業を、行った後仕上げ作業に入っていきます。

 

皮~革って、濡らして、何かして、乾かして、を繰り返し行いながらだんだん仕上がっていきます。

水分と繊維、各種薬剤、が最終的にいい感じのバランスで結合、あとはやっぱりなんらかの

力を加えて伸ばしたりして革らしくなっていきます。仕上げの前工程、もやっぱり同じです。

 

仕上げ工程は、色々な方法があって、多分みなさんが革をご購入されるとき聞く「○○仕上げ」

なんかの話ができるかと思います。

その辺りのご紹介ができたらと思います。

 

また次回。

 

それでは。