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タイコの活用に向けて革を洗うことから始めています。

みなさんこんにちは。

 

当社に遊びに来て頂いたお客様には、工場にある古いタイコ(大きいドラム洗濯機みたいなもの)

をご覧頂いた方もいらっしゃるかと思います。

 

昭和の初期からある設備で、革を洗って、革に残った不純物や脂を除去したり、

時には、逆に加脂をしたりするために使用していました。

 

ランドセルの染革が大量にあった頃は、下染めとして染料染革にも活用していました。

 

が、このところタイコさんにはお休み頂いておりました。

私としては、まだまだ動くこのタイコさんにお手伝いしてもらいたいので、まずは実験から始めています。

 

当社にある野性味のある革を洗ってスッキリさせ、加脂します。

 

除鉄剤、各種の酸、ツメ油などを準備して・・・・、

 

実はまず小さく、工場に設置してある洗濯機で実験しています。

染革もやっています。

 

硬い革を使いやすく出来ないか?という意図もあります。

洗濯機に投入して一定時間回すことで、しなやかさがある程度出ます。

もちろんクラフトされる方は革をジャブジャブ洗うことはないと思いますが、

洗濯機にゴルフボールと革と染料を一緒に投入して革を打ち付けて洗うと、

革は染まります。ただ、水質のPH操作は必要です。色の浸透、固着をさせる為です。

あと、排水は色が出ますので、家庭ではできません。

 

まずは、洗いを主にシュミレーションしています。

 

洗う際、酸や界面活性剤をどこまで減らせるか。

テンションをかけて干す。

やることはシンプルです。

とにかく元々の革の良さが失われないこと、薬品を最大限減らすこと、を主眼に置いてやっています。

あと、小ロットで、随時小回り良くやる方法を模索しています。

 

ピット漕(プール)で鞣された(繰り返し浸けされた)革は牛のリアルなパワーが残っている革です。

大好きな革ですが、実は人が加工する際それなりの手間、力が必要です。

 

作る人が作りやすい。製品にして、美しい。

使う人が自然の風合いを強く感じる。

そういう革。

 

結構、相反した要素ではありますが、そんなヌメ革を目指します。

 

ちょっと時間はかかるかもしれませんが、上手にできたらまたご紹介致します。

 

最近、牛肉生産や牛乳生産に関して、個人的に勉強しています。

若い牛の革はキレイだし同時に高価です。

が、色々生産者の事情もあります・・・。

 

私の少ない知識をここに書くのは控えさせて頂きますが、

成牛をありがたく活用するのはとても自然なことだと私は感じています。

 

人間の事情で命を頂くのは最大限避ける。

 

頂いた命は、最後は土に帰るようにキレイに使う。

 

そんなことをテーマにしてやっていきます。

 

 

それでは!