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製革の仕上げ作業って何するの?
みなさんこんにちは。
今日は革の仕上げについて。
仕上げは、塗膜形成材料を用いて、革の表面に塗装、着色を施し、革の表面を保護しつつ
その美観を高めることが目的です。
塗装というと、木材や金属をイメージされるかもしれませんが、革の場合ほとんどが、製品になった
とき人の肌に触れるので、風合い、手触り、充実感など、官能性と言われるニュアンスが重要になります。
また、合成皮革、人工皮革が多くなった現代において、これらに対しての天然皮革、本革の
「革らしさ」、「本物の革」、としての姿を求める傾向はますます高まっています。
なので、天然皮革としての特性を失わない仕上げが要求されますが、天然の革を考えると
銀面になんらかのキズ等があるのは、どうしても避けられません。
こういうキズを隠しつつ、生かしつつ、革本来の良さを残していくのがポイントです。
仕上げ方法は
①塗膜の透明度
②使用する仕上げ剤
③機械的な仕上げ操作で、分けられますが、
今日は、塗膜の透明度による分類についてご紹介致します。
1、アニリン仕上げ 塗膜透明度が一番高い仕上げ。革本来の銀面模様の特徴を生かした仕上げです。
染色された革に透明な塗膜を形成させる仕上げです。カゼイン等のタンパク質系バインダーに合成樹脂等
を調合した仕上げ液で塗膜を作ります。
銀面の良い革が特に選ばれます。
2・アニリン調仕上げ 塗膜の透明度はアニリン仕上げと同等ですが、銀面のキズ、染色ムラなどを、
着色用の染料で修正してから、表面仕上げを行います。
3・セミアニリン仕上げ アニリン仕上げとカバーリング仕上げの中間的な仕上げ。着色材として、染料
と顔料を併用しつつ、銀面のキズを目立たなくしていきます。上塗りにクリア色、着色した被膜を用います。
革表面の銀面模様も適当に残るようにします。
4.カバーリング仕上げ 塗膜中に無機系顔料を主に使用して、革表面のキズや染色ムラを目立たなく
します。塗膜の透明度は最も少ないです。
塗膜透明度で分類したのが上記ですが、概ね塗膜透明度が高い仕上げは銀面がある程度キレイな
革になります。クラフト用にも、アニリン仕上げの革はたくさんありますよね。
当社はランドセル用の場合がほとんどなので、4のカバーリング仕上げを通常行います。
当社に革を見に来て頂く方は、天然皮革の「革らしい革」を探す方が多いです。
特に男性の方はそういう傾向があります。
逆に女性の方は、生地の均一な美しさを求められているようです。
みなさんがそうとは言えませんが。
最近はカットしてヌメ革ご購入の方、染色のリクエストありましたら、少量で30デシとか50デシとか
染めることがあります。当社設備では基本丘染めなのですが、自然な風合いのリクエストの場合、
塗膜を出来るだけ薄くして仕上げます。
最近の仕上げ剤は、薄い塗膜でも、耐水性、耐摩耗性がそれなりに優れています。
まだまだ私は製革について試行錯誤、勉強が必要ですが、
ちょっとでも皆さんのイメージする革を作るお手伝いが出来ましたらと考えています!
次回も仕上げについて書いていきます。
それでは!