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製革の仕上げ、補助作業。
みなさんこんにちは。
製革の仕上げ塗装は、その前後で革に補助的に加工を施す時があります。
今日は、そちらをご紹介します。
①バフィング・・・銀面をサンドペーパーでバフ処理をして仕上げます。銀面の悪い革に行い、キズなどを
削り取って修正します。その後、塗装作業を行います。また、ヌバック、ベロアのような毛足のある表面処理
を行う際にも使われる処理です。
②ポリッシング・・・フェルト、砥石で革表面を摩擦、磨き上げます。平滑さを加え、目止めを行います。ナッパ
革(という柔軟性のある平滑な革)、衣料革、手袋、グローブ革の製作の工程で行われます。
③空うち(ミリング)・・・空のドラムの中で革を打ちほぐし、繊維をほぐして、革に柔軟性を与えます。またシボ
つけのため行われます。一般に衣料革によく用いられます。似た加工ですが、バタ振り(という革をバタバタ
振りおろす機械)によって柔軟性を付与することもあります。
④型押し・・・革の表面に凹凸模様を、圧力、熱で型押しする作業。銀面のキズ等を型押しで目立たなく
することができる。クロコダイルなど爬虫類の柄等イミテーション加工をする場合がある。
塗装前でも、後でも行える。金属ロールや圧力プレスで革に熱、圧力をかけ、加工する。
⑤シボつけ・・・銀面にしわをつける作業、銀面を折りたたんだり、またはポーティングマシンという機械で
シワをつけていく。シボには主に以下があります。
1・水シボ 波模様のシボ加工
2・角シボ 水シボに対してさらに縦方向にシワをつけた加工
3・八方もみ 角しぼにさらに両対角、つまり八方向にもみあげてシワをつけてある加工
これらの加工はベルト、鞄などに施されています。
⑥グレージング(ガラス掛け)・・・革の銀面に平滑性、光沢を付与するために、ガラス板、めのう、金属
ローラーで銀面に圧力を加えつつ摩擦します。主にカゼイン、アルブミン仕上げの革に施される加工。
⑦アイロンプレス・・・塗装工程中、後に革表面に平滑性、艶を与えるためにアイロンプレスをします。
合成樹脂仕上げの場合、革表面に均一で薄い塗膜を伸ばすことができます。熱の入った金属板の下に
革を敷いて、金属ロールを通過させて金属板にこすり付けます。
これらの作業は、レザークラフトされる方でも、設備がなくても手作業で行っている方もいるかも
しれません。染色してから、ガラス板で磨いたり、染める前に銀磨りする方はいるかと思います。
革は、仕上げ方によっても最終的に全く違った表情を見せますので、染色、加脂だけでなく、この仕上げ
が重要です。また機能性、耐久性、官能性、にダイレクトに影響します。ユーザーの好き嫌いが分かれるのも、
この仕上げによるところは大きくあると思います。
やっと仕上げまで終わりましたね!
ここまで、ざっとですが、製革の流れを原皮を取るところからご紹介してきました。私の説明では、
工場見学みたいなリアルさは伝わりませんが、製革のしくみが、革で作られる方に少しでも伝われば
幸いです。
次回は、革を使うに当たって知っておくといい、出来上がった革素材の性質をご紹介致します。
それでは!