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姫路レザーについて。
こんにちは。
しばらくぶりの更新になってしまいました・・・。
今日は、当社が主に扱うヌメ革について。
当社は、栃木レザーと姫路(で鞣された)レザーを主に扱っています。
(で鞣された)、としました。と、いうのは・・・。
ご存じの方も多いと思いますが、「栃木レザー」は会社名です。
つまりこの名前がうたわれている革は、タンナーの栃木レザーさんが、鞣して製造した革です。
では、「姫路レザー」って?
これは、兵庫県の姫路地方で鞣し、製造された革、という意味です。
同名の会社様もありますが、こちらの会社様が製造した革だけ、という意味ではありません。
言ってみれば、兵庫県姫路地方特有の鞣し技法で製造された革、ということです。
当社も姫路地方の複数のタンナー様から革を仕入れています。
同じ姫路レザーでもタンナー様によって、鞣し方はやはり違いますので
ご注文の革がどの様なものかによって、仕入れを行うタンナー様も違います。
じゃあ、主な国内ヌメ革、2つの違いは?
分かりやすく、ざっくり、革を日々触る私の主観を書きます。
栃木=男性的、ワイルド
姫路=女性的、繊細
こんな感じです。
この違いは、鞣し方から生まれていまます。
栃木レザーは、ピット漕というタンニンを浸すためのプールみたいなところに皮を
浸けてゆっくりと長時間、数か月かけて鞣しを行います。
時間はかかりますが、革生地にかかる負荷は少ないため、
革は固くしまっていて、革ならではの風合いがしっかり残ります。生地は多少ムラやキズがありますが、
とてもワイルドで、ザ・レザー!という感じでしょうか。
姫路レザーは、一般的には「白鞣し」という呼ばれ方をしています。
皮を脱毛したら、油と塩をもみこんで天日乾しにしたります。
またタイコという巨大なドラム洗濯機みたいなところに皮を入れて
ドラムを回して鞣していきます。この時クロム(天然の害のないクロムです)も使います。
比較的短時間で鞣すことができ、染色しやすい白っぽい仕上がりになります。
また表面は独特の滑らかさが感じられます。
クロム、タンニン両方のコンビ鞣しを行いますので、両方の良いところどりというか・・・。
栃木レザーほど固くはないですが、しっかりとしたコシもちゃんとあります。
が、固すぎず、ソフト感も感じられます。
タンニン鞣しの栃木レザーヌメ革にはかなりの張りやコシがあります。しっかり感が違います。
しかし、クロム鞣し/コンビ鞣しが良くない訳ではありません。クロムは薬品の効果で繊維が
しまっていてしっかりしている割にはソフトに仕上がり整形もしやすいのです。
世の中の革製品の多くがクロム鞣しの革になります。
私の個人的見解ですが、姫路レザーはクラフトに適しています。
革の風合いはちゃんと残っています。
美しい白なので、好きな色にしやすいです。
経年変化の度合いは栃木レザーの方が強く感じられますが、
クロム鞣しのいいところを取っているので色を付けやすく、
お好きな色を加えるのが比較的容易です。
かといって、革の表情はしっかり残っていますので、革らしさも感じられます。
そして固すぎないので、革を断つのも、漉くのも、整形するのも、
あまり力が要りません。機械に頼らない手作業でも加工はしやすいかと。
男性用のハードなベルトなら栃木。
女性用の繊細な(例えば)時計ベルトなら姫路。
私はそういうイメージです。
世の中には色々な革があります。
タンニンとクロム。
どっちがいいということはありません。
また栃木も姫路もどちらもいい革ですよ!
要は使い方、生かし方です。
それでは!