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ランドセル生地、一枚一枚染めました。
みなさんこんにちは。
ランドセル職人さんの「早く材料を!」というお声がこの時期入ってきます。
当社はメーカーさんのオーダーに対応して生産加工していますが、大体この季節の出荷量は
予想できるきているので、天気のいいこの時期に考えられる革生地を先に作って
スタンバイします。
でも、不足した場合は新しく染めていきます。
写真は一色づつの染革になりましたが、
こう見ると紅葉みたいですね。
2枚目はチョコ色です。
チョコレート色に似ているのか、伝統的にこういう呼び方です。
最近のランドセル生地は、大ロット生地の場合、大抵銀面を若干削ってから、
そこに色を張り付けるようにして生地をしっかりコーティングしてあります。
(銀面は削らないと、色を張っても上手く接着しないし、生地のキズがダイレクトに出てしまいます)
そうすることで、均一で美しい生地になり、防水性も高く、堅牢な革生地が出来上がります。
銀面を削ることで軽量化も出来ているように思われます。
人工皮革よりは重いですが、私の子供の頃(30年前くらい)よりは、かなり軽量です。
実際メーカーさん表示では、人工皮革のものと比べても、200~300グラムくらいの差です。
当社のように小回り良くやっている加工所は、
最初に銀面に、手染めで染料を下塗り。
その後、スプレーガンで銀面に顔料をのせていきます。
そしてクリアラッカーで仕上げ~アイロン、すっきりした生地になります。
ですから、顔料仕上げではありますが、革の表情がある程度残った生地になります。
昔のランドセルの革感が出ています。
この生地は、職人さんが少数で製作しているランドセル工房へお届けするものです。
こだわりの方が多いので、常に厳しい目で評価されます。
皮を革に変化させるのはタンナーさん、それを使える素材に加工するのが当社。
タンナーさんはそこまでされている場合も多いのですが、細かいところ全部は
出来ない部分があるので、そこは私がお手伝いします!
で、最終的に作り手さんのところへ革は届き、製品がユーザーさんへ。
どこが欠けても成り立ちません。
それぞれ丁寧にやるから牛さんの大切な命が最後正しく活用されていくのです。
私は一個の繋ぎ目です。
だから、そういう仕事ができて良かったと思います。
特に、革を広げて染める前に牛のことを考えるとそう思います。
生きて動いていた時の形が、すごく良く見えるから・・・。
それでは!