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裁断加工の現場から|イニシャルパーツの型抜き(クリッカー)裁断をレポート

↑アルファベットのような曲線パーツもブレなく一気に裁断できるのがクリッカー(型抜き)裁断のメリット。

革小物やバッグのパーツ製作において、同じ形状のパーツを大量に正確に裁断 するには、「クリッカー裁断(型抜き加工)」が最適です。特に、曲線や細かいデザインのパーツを切り出す際には、ズレや歪みのない高精度な仕上がり が求められます。

今回は、イニシャルキーホルダー用の革パーツを型抜き加工での実例を交えて、クリッカー裁断の工程や仕上がりの特徴、レーザーカットとの比較なども解説いたします。

また、松本皮革では布生地やプラスチック裁断も受け付けておりますので、ぜひ最後までお読みください。

クリッカー裁断とは?型抜き加工の仕組み

クリッカー裁断とは、抜き型(トムソン型や火造り金型)を使用し、強い圧力をかけて素材をカットする型抜き加工の一種です。

特に革製品のパーツ製作に適しており、高精度な仕上がりを実現します。

型抜き裁断3つのメリット

型抜き裁断には、主に次メリットがあります。

  1. 高精度な仕上がり:曲線や細かいパーツも美しくカット可能。
  2. 短納期・大量生産に対応:安定した品質で一括製作が可能。
  3. 焦げや変形なし:レーザーカットと違い、熱影響ゼロで仕上がりがきれい。

 

イニシャル革パーツの型抜き工程

イニシャルをあしらった革製キーホルダーは、オリジナルグッズやノベルティとして人気の高いアイテムです。

アルファベットのような曲線的なパーツを正確にカットするのに適しているのが型抜き裁断。ここでは、型抜き(クリッカー)裁断を用いた型抜き工程をご紹介します。

型抜きするパーツの仕様

今回のイニシャルパーツのサイズと使われた革は次のとおりです。

  • サイズ:イニシャル1文字あたり幅7.5~4cm×8cm程度
  • 使用する革:キャメル色の芯染め革、厚み約5mm

今回は2枚の革を張り合わせたものを使うため、少々厚め。革の風合いを損ねないよう慎重に作業を進めました。

なお、当社で裁断可能なパーツのサイズは、幅80cm×40cmくらいまでが目安となります。

イニシャルパーツ裁断の流れ

イニシャルパーツの裁断では、3つの工程を経てお客様にお届けします。

  1.  2枚の革を張り合わせる:上下どちらも吟面(革の表面)が出るよう革を張り合わせ。色の誤差が出ないよう貼り合わせる革の組み合わせにも気を配りました。
  2.  裁断の実施:クリッカー裁断機で型抜き。革を無駄なく使うよう抜型の配置を工夫しながら作業を進めました。
  3.  仕上がりチェック:断面のゆがみやズレ、表面のキズがないかなどをチェック。検品を経てお客様の元へお届けします。

なお、今回の依頼はお客様から型の持ち込みがあったため、型の制作はありませんでした。

初回は型を作る必要がありますが、一度型を作ってしまえば何度でも同じ依頼を受けられるのがクリッカー裁断の利点です。2回目以降は型代が不要なため、初回より費用を安く抑えられます。

裁断後のパーツの仕上がり

↑型抜き(クリッカー)裁断の断面。裁断機で上から圧力をかけて金型で断ち切るため、熱による変質がありません。

今回使われたクリッカー裁断には、次のメリットがあります。

  • アルファベットの裁断も歪みがない
  • 切り口がなめらかで、焦げやバリが発生しない
  • 大量の裁断でも仕上がりにブレがない

クリッカーは、型抜きの原理で生地を裁断するため、曲線的な形でもブレなく大量に切り出せます。

また、刃物での裁断のため、レーザーカットのような熱の影響も受けません。

型抜き(クリッカー)は幅広い素材に対応可能

クリッカー裁断は、型抜きを用いた高精度な裁断技術で、さまざまな素材に対応可能です。革製品だけでなく、布やプラスチックなど幅広い用途に活用されています。ここでは、クリッカー裁断の活用事例をご紹介します。

布生地の型抜き:バッグ・ポーチ・ランドセルのパーツ製作

クリッカー裁断は、以下のパーツカットで多く用いられています。

  • バッグやポーチの持ち手、フラップ部分:均一なサイズで大量に型抜き可能
  • ランドセルの肩紐や補強パーツ:精密な裁断と強度を保つ加工が可能

裁断機で上から圧力をかけて生地をカットするため、柔らかい布でも断面がほつれにくく、断面の仕上がりもキレイです。

鞄の補強材などプラスチック素材の裁断

クリッカー(型抜き)裁断を活用すれば、厚みや硬さのあるプラスチックも正確に型抜きし、安定した品質で大量生産が可能です。鞄の芯材などで次のようなプラスチックパーツの加工にクリッカー裁断が広く用いられています。

プクリッカー(型抜き)裁断の特徴

  • 鞄の底板・芯材:バッグやランドセルの形状を保つための補強材を精密に裁断
  • 仕切りやフレーム:内部の整理を目的としたパーツも均一なサイズで加工
  • ノベルティ・アクセサリー用パーツ:企業ロゴ入りのプレートや装飾パーツも対応

プラスチック裁断については、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ一度お読みください。

プラスチックの曲線・小パーツ裁断は型抜き加工が最適!依頼の流れとコストを解説

松本皮革有限会社では他にも布生地やマジックテープなど多彩な素材の裁断加工に対応しています。

ご依頼内容に応じた最適な加工方法もご提案いたしますので、次のリンクよりお気軽にご相談ください。

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「パーツの型抜き裁断を依頼したいけど、どれくらいの費用がかかるのか知りたい…」そんなお悩みを解決するため、松本皮革では Web上で簡単に裁断工賃を見積もれるシステム をご用意しました。

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クリッカーによるパーツの型抜き裁断を検討の方は、 下記リンクより工賃の概算をお出しします。

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